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2024年上半期調剤薬局業界M&A動向

メディカルシステムネットワーク 有限会社クリニクス(北海道北見市)、株式会社メトロファーマシー(東京都)の株式取得

2024年上半期(1〜6月)の調剤薬局M&Aは、「大型×ピンポイント地域強化×DX対応」をキーワードに動きました。診療報酬(調剤)改定が6月施行でDX体制評価が強化され、規模と機能の両立を急ぐ買い手の意思がより鮮明になった半期でした。厚労省の改定概要では、医療DX推進体制整備加算などが整理され、電子処方箋対応や在宅体制の評価が明確化しています。(厚生労働省)

主なディール(時系列)

  • 1月11日|ファーマライズHD → GOOD AID(東名阪25店)株式100%取得
    中期計画に沿う中核の調剤事業強化として、GOOD AIDグループを完全子会社化。エリア拡張と“セルフケア×調剤”の補完が狙いです(譲受実行:1月31日)。(Yahoo!ファイナンス, strike.co.jp)
  • 2月27日|スギHD → I&H(阪神調剤薬局)子会社化決定(議決権61.89%)
    調剤機能の厚みと在宅・地域連携の拡大を掲げた大型取引。取得日は2024年8月30日予定とIRで明示されています。ドラッグストア大手による専門調剤の取り込みで、トータルヘルスケア戦略の前進を図る局面です。(Sugi HD, 東京フィナンシャル・アドバイザーズ)
  • 4月22日|トーカイ子会社・たんぽぽ薬局 → ミック・ジャパンの一部事業を譲受
    リハビリデイ・ドラッグストア事業の取得(取得予定日:7月1日に変更発表)。薬局周辺のケア領域を巻き込む“周辺資産の最適化”型の動きで、在宅・地域包括ケアと親和性の高い布陣づくりが続きます。(日本M&Aセンター, M&A Online)
  • 5月16日|クオールHD → ダイナ(山梨18店〈みさき薬局〉)株式100%取得
    クオールは空白県だった山梨に18店舗で一気に進出。在宅やドライブスルー対応など地域特性に合わせた店舗群の取り込みで、首都圏外縁の面を厚くしています。決算説明資料でも“5/16グループ入り”が確認できます。(日本M&Aセンター, Yahoo!ファイナンス)

マクロの背景

RECOFの月次概況では、1月のM&A件数は323件5月は400件と全体市場が活況。中でもドラッグストア・調剤関連案件が目立ち、“再編の進展”が示されました。(株式会社レコフ)

投資ファンドの関与

上場・非上場を問わずPEの存在感が増しています。2月にはCVCキャピタル・パートナーズが総合メディカルGの全株式を取得。“事業承継×機能強化”の再編ドライバーとして、ファンド主導の大型案件が引き続き注目です。(マル)

上半期の示唆(買い手・売り手それぞれの視点)

  • 買い手
    1. 空白エリアの即時補完(クオール×山梨)/2) 専門調剤アセットの取り込み(スギ×I&H)/3) 周辺ケア事業との面展開(たんぽぽ×介護・DgS)で、“地理×機能×ケア連携”の三位一体を志向。改定後の評価軸(在宅・地域支援・電子処方箋等)に適合するポートフォリオへ素早く寄せる動きが加速。(厚生労働省)
  • 売り手
    後継者不在や薬価・人件費・DX投資負担が重い中、**“地域密着の強み(在宅・かかりつけ・医療連携)”や“特徴ある店舗機能(ドライブスルー等)”**が評価されやすい半期でした(ダイナの事例)。(日本M&Aセンター)

2024年下半期への展望(上半期からの連続線)

  • スギHDによるI&Hの取得完了(8/30予定)後の統合作用、ならびに人財・在宅・DXの相互活用が注目ポイント。(Sugi HD)
  • エリアの“点と点”を結ぶ面的再編と、在宅・DX・地域支援の評価強化に沿った店舗群の最適化(スクラップ&ビルド、子会社再編)が一段と進む見込み。(厚生労働省)

まとめ

2024年上半期の調剤薬局M&Aは、大型統合(スギ×I&H)空白エリア攻略(クオール×ダイナ)周辺ケア事業の抱き込み(たんぽぽ)という三つ巴で、“規模の論理”と“機能の質”の同時追求が鮮明になりました。診療報酬(調剤)改定でDX/在宅がより重視される中、地域密着力+DX適合力を備えたターゲットの希少性が高まり、案件は引き続き戦略的・選択的に動くと見ます。(厚生労働省)

(参考・出典:各社IR/M&A速報・月次概況)

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