AGAの症状と進行パターン【M字ハゲ・O字ハゲ・U字ハゲを図解で現役薬剤師が簡単解説】

AGAの症状と進行パターン M字型ハゲ、O字型ハゲ、U字型ハゲを図解で分かりやすく解説 AGA概要

「最近、生え際が後退してきた」「頭頂部の地肌が見えるようになった」
――それはもしかすると AGA(男性型脱毛症) の初期症状かもしれません。

AGAは自然に治ることがなく、進行を放置すると広範囲の薄毛へと進みます。
しかし、早い段階で症状を理解すれば、進行を抑えることが可能です。

この記事では、AGAの症状と進行パターン(M字・O字・U字型) をわかりやすく解説します。

薬剤師の鈴木です。西洋人にはM字型が多く、我々東洋人にはO字型が多いと言われます。


AGAとは?まず基本をおさらい

AGAとは
男性型脱毛症の特徴
成人男性に多く見られる
進行性の脱毛症
特定部位から徐々に薄毛化
生え際と頭頂部が主な発症部位
DHT男性ホルモンと遺伝が主な原因 毛根に作用し髪の成長期を短縮させる

AGAとは「Androgenetic Alopecia(男性型脱毛症)」の略で、
成人男性に多くみられる進行性の脱毛症です。

特徴的なのは、髪全体ではなく特定の部分から徐々に薄くなること。
特に「生え際」と「頭頂部(つむじ)」の2か所が代表的な発症部位です。

発症のメカニズムは、男性ホルモン(DHT)と遺伝が大きく関係しています。
DHTが毛根に作用すると、髪の成長期が短縮され、
太く育つ前に抜けてしまう――これがAGAの根本的な症状です。


AGAの初期症状とは?

AGAの初期症状
髪質の変化
髪が細く、柔らかくなる
抜け毛の増加
一日100本以上の抜け毛
生え際の変化
生え際ラインが後退して見える
頭頂部の透け
地肌が透けるように見える
髪のボリューム低下
セットが決まらない
AGAの症状は少しずつ進行するため、なんとなく薄いかもと感じた時点での対策が理想的である

AGAの初期には、次のような変化が見られます。

  • 髪が細く、柔らかくなる
  • 抜け毛が増える(1日100本以上)
  • 生え際のラインが後退して見える
  • 頭頂部が透けるように見える
  • 髪のボリュームが減り、セットが決まらない

これらの症状は急激に進むのではなく、少しずつ進行するのが特徴です。
気づかないうちに進行してしまうため、「なんとなく薄いかも」と感じた時点で対策を始めるのが理想です。


AGAの代表的な進行パターン3タイプ

AGAには主に以下の3つの進行タイプがあります。
「M字型」「O字型」「U字型」のいずれか、または複合型として現れます。


① M字型(生え際後退タイプ)

M字型ハゲ
生え際後退タイプ
特徴
額の角から後退 (角額)
こめかみ部分が薄くなる
前髪のボリューム減少
セットしても額が透ける
M字型ハゲの原因
生え際はDHTの影響を最も受けやすい部位
毛根の敏感性により早期に脱毛が進行
M字型ハゲの対策法
内服治療 フィナステリド、デュタステリド
ミノキシジル外用薬
血流改善マッサージ 運動

額の両端が後退し、アルファベットの「M」の形に見えるタイプです。
最も多いパターンで、20代後半から始まるケースもあります。

特徴

  • 額の角から後退し、こめかみ部分が薄くなる
  • 前髪のボリュームが減り、形が変わる
  • セットしても額が透ける

原因

生え際部分は「DHT」の影響を最も受けやすい箇所のひとつ。
毛根が敏感であるため、他の部位より早く脱毛が進行します。

対策

  • 早期の内服治療(フィナステリド・デュタステリド)
  • ミノキシジル外用薬での発毛促進
  • 前頭部への血流改善(頭皮マッサージ・運動)

② O字型(頭頂部薄毛タイプ)

O字型ハゲ(頭頂部薄毛タイプ)
特徴
つむじ付近から薄毛化
円形に地肌が目立つ
光が当たると透けて見える
乾かすとボリュームが無い
O字型ハゲの原因
頭頂部は血流が滞りやすく、DHTの影響を受けやすい
デスクワークやストレスも悪化要因
O字型ハゲの対策法
ミノキシジル(外用薬、内服薬)
頭皮マッサージで血流促進
生活習慣改善 睡眠、食事、運動

つむじ付近から薄くなり、地肌が目立つようになるタイプです。
後頭部から見たときに「O」の形に見えることからO字型と呼ばれます。

特徴

  • 頭頂部の中心が円形に薄くなる
  • 上から光が当たると地肌が透けて見える
  • 髪を乾かすとボリュームがなくなる

原因

頭頂部は血流が滞りやすく、DHTの影響を受けやすい部位です。
長時間のデスクワークやストレスも悪化要因になります。

対策

  • ミノキシジル(外用薬・内服薬)の併用
  • 頭皮マッサージによる血行促進
  • 生活習慣の改善(睡眠・食事・運動)

原因がDHTにあるのはM字型と同じなので、フィナステリドやデュタステリドといった5αリダクターゼ阻害薬も用いられます。


③ U字型(複合型・全体進行タイプ)

U字型ハゲ(複合型、全体進行タイプ)
特徴
額から頭頂部まで一体的に薄毛
全体的な髪のボリューム消失
後頭部、側頭部のみ残存
U字型ハゲの原因と進行
M型、O型の複合進行
最も進行が早いタイプで、放置すると治療効果が出にくい。
早期の医療介入が必要
内服薬、外用薬、再生医療の併用療法
場合により自毛植毛も検討

M字型とO字型の両方が進行し、額から頭頂部までがU字型に薄くなるタイプです。

特徴

  • 額から頭頂部にかけて一体的に薄くなる
  • 全体的なボリュームがなくなる
  • 後頭部や側頭部のみ髪が残る

原因

M型・O型の複合的進行によるもので、進行が最も早いタイプ
放置すると治療効果が出にくくなるケースもあります。

対策

  • 早期の医療介入が必須
  • 内服薬+外用薬+再生医療などの併用治療
  • 自毛植毛を検討するケースもあり

AGAの進行度を評価する「ハミルトン・ノーウッド分類」

AGAの進行度を評価する「ハミルトン・ノーウッド分類」
AGAの進行度を評価する国際的な7段階分類

AGAの進行は「ハミルトン・ノーウッド分類(Hamilton-Norwood scale)」で7段階に分けられます。

段階特徴
Ⅰ型まだ明確な薄毛は見られない
Ⅱ型生え際がやや後退(M字の始まり)
Ⅲ型額の後退が明確に確認できる
Ⅳ型生え際と頭頂部の薄毛が進行
Ⅴ型前頭部と頭頂部の薄毛がつながり始める
Ⅵ型頭頂部から前頭部全体が薄くなる
Ⅶ型頭頂部・前頭部がほぼ脱毛し側頭部のみ残る

進行度が上がるほど治療の難易度が上がるため、Ⅱ〜Ⅲ型の初期段階で治療を始めることが理想です。

ハミルトンノーウッド分類ではAGAの進行の典型として、M字型が先行し徐々に頭頂部が薄くなっていくモデル(西洋人モデル)です。ところが、我々東洋人のAGAの場合には頭頂部の脱毛の進行が早い傾向があるため、上図Ⅱ型、Ⅲ型のところに頭頂部脱毛のパターンⅡ型Vertex、Ⅲ型Vertexを加えてより日本人のAGAを捉えやすくした高島分類があります。


AGAの進行を放置するとどうなるか?

AGAの進行を放置するとどうなるか
放置するリスク
進行性脱毛症
自然に止まることは無い
毛根の弱体化
時間経過で治療効果が低下
心理的影響
自信低下、対人不安
早期に医師へ相談し、科学的根拠のある治療を始めることが重要

AGAは進行性の脱毛症であり、自然に止まることはありません。
放置すればするほど毛根が弱り、治療効果も出にくくなります。

さらに、心理的な影響(自信低下・対人不安)を感じる方も少なくありません。
早期に医師へ相談し、科学的に根拠のある治療を始めることが重要です。


AGAの進行を抑える方法

AGAの進行を抑える方法
DHT生成抑制
フィナステリドやデュタステリド
発毛促進
ミノキシジル(内服、外用)
生活習慣改善
睡眠、栄養バランス、ストレス管理
頭皮ケア
マッサージ
適切なシャンプー
これらを組み合わせることで、AGAの進行抑制や発毛促進効果が期待できる
  • DHT生成を抑える薬(フィナステリド・デュタステリド)
  • 発毛を促す薬(ミノキシジル)
  • 生活習慣改善(睡眠・栄養・ストレス管理)
  • 定期的な頭皮ケア(マッサージ・シャンプー選び)

これらを組み合わせることで、AGAの進行を止めたり、発毛を促す効果が期待できます。


まとめ|AGAの進行を「知る」ことが最大の予防

AGAのまとめ
3つの進行パターン
M字、O字、U字に分類
段階的な進行
ハミルトンノーウッド分類で7段階
早期治療の重要性
初期段階ほど改善効果が高い
知識が最大の予防
進行パターンを理解し適切な対策
  • AGAは「M字・O字・U字」の3タイプに分類される
  • 生え際や頭頂部から進行し、放置すると全体に広がる
  • ハミルトン・ノーウッド分類で段階的に進行
  • 初期段階で治療を始めるほど改善効果が高い

AGAは気づいたときが「治療の始めどき」です。
鏡を見て違和感を覚えたら、早めに専門クリニックで診断を受けましょう。
進行を理解し、適切な治療を行うことで、薄毛の未来は大きく変えられます。

次のステップ
鏡で現状をチェック
専門クリニックで診断
適切な治療プランを検討
継続的なケアを実施
進行を理解し適切な治療を行うことで、薄毛の未来は大きく変えられる

次の記事では「AGA予防法まとめ|食事・生活習慣・シャンプー・サプリ」についてご紹介します。