「最近抜け毛が増えた」「髪が細くなってきた」――こうした変化を感じていませんか?
もしかするとそれは AGA(男性型脱毛症) のサインかもしれません。

AGAの原因は男性ホルモン(DHT)や遺伝の影響が大きいですが、食生活の乱れも進行を早める要因のひとつです。
反対に、髪に必要な栄養をしっかり摂取することで、薄毛を防ぐことができます。
この記事では、AGA予防に効く食べ物と栄養素をわかりやすく解説します。
薬剤師の鈴木です。
AGAによる抜け毛に対して、5αリダクターゼ阻害薬のような内服薬は確かによく効きます。ただし、その薬の効果も生活習慣の改善があってこそです。治療は医者に任せて自分は好き勝手に生きてよいと勘違いされている方が多く見受けられますが、患者さんご自身が主体的に治療に取り組むことが、効果の最大化に不可欠です。正しい食生活を学び、そして実践してください。自分の人生は自分で取り戻しましょう!
Contents
1. 髪は「食べ物」で作られる ― 栄養と発毛の関係

髪の毛の約90%は「ケラチン」というタンパク質でできています。
つまり、食事内容が髪の健康に直結します。
髪が細くなったり抜け毛が増える背景には、栄養不足や偏食、過度なダイエットなどが隠れていることも少なくありません。
髪に必要な栄養素をバランスよく摂ることが、AGA予防の第一歩です。
2. AGA予防に効果的な主要栄養素

① タンパク質 ― 髪の材料そのもの
- 役割:毛髪の主成分「ケラチン」を生成する
- 不足すると:髪が細く、ハリやコシがなくなる
- 多く含む食べ物:肉・魚・卵・豆腐・納豆・乳製品
→ 髪を作る「原料」が不足していると、いくら育毛剤を使っても効果が出にくくなります。
② 亜鉛 ― 髪の生成を助けるミネラル
- 役割:ケラチンを合成する酵素を活性化
- 不足すると:抜け毛が増え、発毛サイクルが乱れる
- 多く含む食べ物:牡蠣、レバー、ナッツ類、牛肉、卵黄
→ 亜鉛は髪に必要な栄養の中でも特に不足しがち。サプリで補うのも有効です。
③ ビタミンB群 ― 頭皮環境と代謝をサポート
- 役割:エネルギー代謝を助け、毛母細胞の働きを促す
- 不足すると:頭皮の血行不良・フケ・かゆみ
- 多く含む食べ物:豚肉、卵、レバー、バナナ、納豆
→ 特に「ビオチン(ビタミンB7)」は毛髪の生成に重要。美容サプリにも多く含まれます。

④ ビタミンE ― 血流を改善して毛根を守る
- 役割:抗酸化作用により頭皮の老化を防止
- 多く含む食べ物:アーモンド、かぼちゃ、アボカド、オリーブオイル
→ 「頭皮の血流改善」は発毛の基礎。ビタミンEは他の栄養素の吸収も助けます。
⑤ 鉄分 ― 髪に酸素を運ぶ
- 役割:血中の酸素を毛根へ届ける
- 不足すると:毛根への栄養供給が滞る
- 多く含む食べ物:赤身肉、ほうれん草、ひじき、プルーン
→ 特に女性は鉄分不足による薄毛(FAGA)も多く、性別を問わず重要です。
3. 食べ方のポイント ― 「バランス」と「継続」が鍵

食事の偏りをなくす
「肉ばかり」「炭水化物中心」など、偏った食事は髪の栄養バランスを崩します。
1日3食、主食・主菜・副菜をそろえる意識を持ちましょう。
食生活が乱れている方の特徴は、夕食(というより深夜食)に大量のカロリーやアルコールを摂取してしまい、その影響で翌朝にまったく食欲がわかず朝食無し。当然空腹になり昼や夕食の摂取カロリーが増える傾向です。
日中に必要なカロリーが不足し、不要なカロリーが睡眠の質を低下させる。活力が低下しストレスに苦しむことになります。
つまり、毎日の食生活が負のスパイラルにはいっています。
例えるなら、お金を使いすぎた人が借金して利息支払いに苦労して、生活費が足りなくなり、更に借金を重ねるようなもの。
食習慣も個人の経済状態も、現状を把握し分析、自分を律することで負のスパイラルから抜け出すことが出来ます。
あなたの大切な命はたった一つしかありません。過ぎ去った時間は決して戻ってこないので、大切に生きてください。そのためには、まずは正確に自分の現状を把握し分析することです。
自分はどんな状態で、なにが現状の問題点か。どうすれば改善するか。どんな時に自分は上手くやれて、どんな時に失敗したか。
あなたにもあるはずです。学校のテストでたまたま高い点数がとれたことや、仕事で上手くいったこと。そんな時にどんなパターンでうまくいったか、それがあなたのトリセツのヒントです。
食習慣を改善して、AGAによる抜け毛を防いでください。
見た目は人生のクオリティに結構大きな影響を与えますよ。
食べるタイミング
夜遅くの食事は消化に負担をかけ、睡眠の質を下げます。
AGA予防には、成長ホルモンが活発に分泌される睡眠の質の向上も大切です。
一日の総摂取カロリーが2500キロカロリーであれば、朝0、昼1000、夕1500となっているのを
朝500、昼800、夕800の2100キロカロリーを目指しましょう。
3食全てに野菜をねじ込みます。冷凍でも野菜ジュースでも良いです。
朝はどちらかと言えば、はじめは無理に食べる感じ、つまり努力ですね。
昼は少し気を付ければ野菜入りにメニューは外食でも見つかります。
夕食は800に抑えるためには中ジョッキが飲めないことに気が付くでしょう。自分のために我慢しましょう。
野菜を多くとるようになり、毎日400キロカロリー減るわけですが、これはだいたい月間1.5kgの減量につながります。
1年つづけると、鏡に映る自分の姿の変化に驚くことでしょう。周囲のあなたを見る目もかわっているはず。
継続が重要
1日2日で髪は変わりません。
3か月以上のスパンで継続的に栄養を摂ることで、髪質や抜け毛に変化が見えてきます。
4. AGAを悪化させる食習慣とは?

脂質の摂りすぎ
揚げ物・ファストフードなどの過剰な脂質は皮脂の分泌を増やし、毛穴詰まりの原因に。
脂質の取りすぎはAGA予防じゃなくてもダメですよね。カロリーも高いですし、生活習慣病の予防という意味でも取りすぎは良くないです。
日本人は日本語で「あぶら」と一括りにしてますが、「oil」と「fat」は明確に違います。
「oil」は液体、「fat」は固体ですね。ドレッシングにはいっているのは「oil」、とんかつの脂身は「fat」です。
脂質の取りすぎという観点で問題になるのは「fat」です。
「oil」はむしろ積極的に摂取しましょう。
AGA予防もかねて、活力ある生活に役立ちます。
糖質過多はAGAにも悪影響
糖質の摂りすぎはインスリン分泌を増やし、ホルモンバランスを乱す要因になります。
アルコール・カフェインの過剰摂取
肝臓に負担をかけ、ホルモン代謝を低下させます。
特にアルコールの飲みすぎは「DHT増加」を促すとも言われています。
5. 髪に良いメニュー例
食事タイプ | メニュー例 |
---|---|
朝食 | 納豆ご飯+味噌汁+卵焼き+バナナ |
昼食 | サバの塩焼き定食(ご飯・味噌汁・野菜小鉢付き) |
夕食 | 鶏むね肉のソテー+アボカドサラダ+豆腐スープ |
間食 | ナッツ・ヨーグルト・プロテインバー |
→ 日本食は自然と髪に良い栄養素をバランスよく含んでおり、AGA予防に最適です。
6. サプリで各種栄養素を補うのもAGA抜け毛予防に効果的

食事だけで十分な量の栄養を摂るのは難しいため、亜鉛・ビタミン・ビオチンのサプリを活用するのもおすすめです。
ただし、摂りすぎは逆効果になることもあるため、用法用量を守りましょう。
AGA予防のために修行僧のような生活が出来るなら苦労しませんが、多くの人にとっては大変で、サボってしまうこともあると思います。サプリメントを利用して食事でとれない栄養を補いましょう。
7. 食生活+治療の併用でより確実に
食生活の改善はAGAの予防・進行抑制に有効ですが、すでに症状が進んでいる場合は医療的治療との併用が最も効果的です。
- 内服薬(フィナステリド・デュタステリド)
- 外用薬(ミノキシジル)
- 生活習慣・食事の見直し
この3本柱で取り組むことが、髪を守る最善策です。
まとめ|食事改善でできるAGA予防

- 髪は食べ物から作られる。栄養バランスが最重要
- 髪に良い栄養素は「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」「ビタミンE」「鉄分」
- 脂質・糖質の摂りすぎは薄毛のリスクを高める
- サプリは補助的に使い、食事を基本にする
- 食事+生活習慣+治療の3軸でアプローチする
AGA予防は、毎日の食事から始まります。
体の内側から髪を育てる意識を持つことで、薄毛の進行を防ぎ、健康的な髪を取り戻すことができます。
次回は「AGA予防におすすめのシャンプー比較|選び方と人気商品」につきご紹介します。