「最近、寝不足が続いて髪の毛が細くなった気がする…」
「夜型の生活が抜け毛の原因になるって本当?」

現代社会では、多くの人が慢性的な睡眠不足に悩まされています。
そしてその影響は、体だけでなく 髪の毛や頭皮の健康にも深く関係しています。
本記事では、睡眠不足がAGA(男性型脱毛症)を悪化させる理由と、
発毛をサポートする理想の睡眠習慣について詳しく解説します。
こんにちは!現役薬剤師の鈴木です。
睡眠不足は現代人の多くが悩まされているのではないでしょうか。
主な原因はスマホ(動画やゲーム、SNS)です。
とは言え、スマホ無しの生活も現実的ではないので
夜寝る前だけはスマホを遠ざけるよう意識しましょう。
Contents
1. AGAとは?まずは基礎をおさらい

AGA(Androgenetic Alopecia)は「男性型脱毛症」と呼ばれ、
男性ホルモン(DHT)の影響によって髪が細くなり、抜け落ちていく進行性の脱毛症です。
主な原因は以下の3つです。
- 男性ホルモン(DHT)の作用
- 遺伝的体質
- 生活習慣の乱れ(睡眠・食事・ストレスなど)
特に、睡眠の質とホルモン分泌の関係が注目されており、
睡眠不足はAGAを悪化させる重要な要因の一つとされています。
2. 睡眠が髪に与える影響

睡眠は、体だけでなく 髪と頭皮の修復時間でもあります。
人間の体は睡眠中に「成長ホルモン」や「メラトニン」などを分泌し、
細胞を修復・再生しています。
つまり、**質の高い睡眠は髪の“成長時間”**なのです。
3. 睡眠不足が薄毛を招く3つのメカニズム

睡眠が足りない状態が続くと、次のような影響が発生します。
① 成長ホルモンの分泌低下
髪の毛の成長を支えている「成長ホルモン」は、
入眠後の3時間以内に最も多く分泌されます。
睡眠不足や浅い眠りが続くと、成長ホルモンの分泌量が減り、
毛母細胞の働きが低下して発毛力が弱まります。
特に、夜更かしや不規則な睡眠リズムはこのホルモン分泌を大きく阻害します。
② 自律神経の乱れによる血行不良
寝不足が続くと「交感神経」が優位になり、
頭皮の血管が収縮して血流が悪化します。
その結果、毛根に酸素と栄養が届きにくくなり、
髪が細く・抜けやすくなってしまいます。
→ **「冷え性」「肩こり」「頭皮の硬さ」**は血流不足のサインです。
③ ホルモンバランスの崩れ
慢性的な睡眠不足は、男性ホルモン(テストステロン)の分泌バランスを乱します。
その結果、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成が増加し、
AGAを悪化させる方向に働きます。
つまり、「眠らない=DHTが増える」という悪循環が生まれるのです。
4. 睡眠不足で現れる髪と頭皮のサイン

- 抜け毛が増える
- 髪のコシやツヤがなくなる
- 頭皮がベタつく・かゆい
- フケが出やすくなる
- 額や頭頂部の地肌が目立つ
これらは **「頭皮のSOS」**です。
睡眠不足によって頭皮のターンオーバー(再生周期)が乱れている証拠です。
5. 理想的な睡眠時間とタイミング

発毛にとって理想的な睡眠時間は 1日7時間前後 とされています。
しかし、時間以上に重要なのは「質」と「タイミング」です。
理想の睡眠スケジュール
- 就寝時間:23時〜0時前後
- 起床時間:6時〜7時前後
入眠後3時間が「成長ホルモンのゴールデンタイム」と呼ばれるため、
できるだけ深い睡眠をこの時間に確保することが重要です。
6. 発毛を促す「良質な睡眠」をとるための7つの習慣

① 寝る前のスマホ・PCを避ける
ブルーライトは脳を覚醒させ、メラトニンの分泌を妨げます。
寝る1時間前からスマホをオフにしましょう。
ブルーライトの光だけでなく、そもそも動画コンテンツやゲームは脳に強い刺激を与えます。(だからこそ多くの人がハマります)
夜は意識的にスマホを遠ざける工夫が必要だということです。
② 寝る3時間前に食事を済ませる
就寝直前の食事は、消化活動が優先されて眠りが浅くなります。
夜食は控え、どうしてもお腹が空く場合は温かいスープなど軽めのものを。
③ カフェイン・アルコールを避ける

コーヒー・緑茶・エナジードリンクなどは、眠気を妨げる原因に。
アルコールも一時的に眠くなりますが、睡眠の質を大幅に下げます。
④ 入浴は寝る90分前がベスト
38〜40℃のぬるめの湯に10〜15分浸かることで体温が一時的に上昇し、
その後の体温低下が眠気を誘います。
一般に温度の高い入浴は筋疲労など肉体的な疲れをいやし、温度の低いぬるめのお湯は精神的な疲れをいやすと言われています。
⑤ 寝室環境を整える
部屋の温度は20〜22℃、湿度は50〜60%が理想。
照明は間接照明にしてリラックスできる空間を作りましょう。
深い睡眠には体温のある程度の低下が必要です。(こたつで寝落ちすると、この逆で非常に浅い睡眠になります。)よって、室温は控えめ、特に冬場は暖房の温度設定が高くなりすぎないよう注意しましょう。昔の言葉で言えば「頭寒足熱」足を温めて、頭部は低い温度に保つことが良質な睡眠のコツです。
ちなみにですが、寝室にテレビや動画見るモニターはご法度です。寝る直前まで動画コンテンツにさらされることになり、睡眠の質は落ち、さらには入眠障害など非常に悪影響が大きいです。
寝室へのモニター類の設置は避けましょう。
⑥ 適度な運動を日中に取り入れる

日中の軽い運動は、夜の深い眠りを誘発します。
ウォーキングやストレッチなどでも十分です。
⑦ 寝る前の「ルーティン」を決める
ストレッチ・読書・アロマなど、自分なりのリラックス習慣を作ることで、
入眠の質が格段に上がります。
7. AGA治療と睡眠の関係性

睡眠不足はAGA治療の効果にも影響します。
フィナステリド・デュタステリドの場合
→ 睡眠不足によりホルモンバランスが乱れると、DHT抑制効果が不安定に。
ミノキシジルの場合
→ 血流改善作用があるが、睡眠不足でそもそもの血流が悪いと効果が減少。
つまり、薬を飲むだけでなく、睡眠の質を高めることが治療効果を最大化する鍵です。
8. 睡眠と発毛を両立させるライフスタイル例
時間帯 | 行動 | 発毛への効果 |
---|---|---|
7:00 | 起床・朝日を浴びる | 体内時計をリセット |
12:00 | タンパク質中心の昼食 | 髪の材料を補給 |
18:00 | 軽い運動 | 血流促進・ストレス緩和 |
21:00 | 入浴(ぬるめ) | 体温調整で入眠準備 |
22:30 | スマホオフ・読書 | メラトニン分泌促進 |
23:00 | 就寝 | 成長ホルモンの分泌ピーク |
このように「髪を育てる時間割」を意識することで、
AGAの進行を遅らせ、発毛を促すことができます。
9. まとめ|「寝ること」は最高の発毛習慣
- 睡眠は髪の修復・成長に不可欠な時間
- 睡眠不足はホルモン・血流・免疫を乱しAGAを悪化させる
- 入眠3時間の深い眠りが「発毛のゴールデンタイム」
- 質の高い睡眠で治療効果が高まり、見た目年齢も若返る
髪を増やす最もシンプルな方法は「しっかり眠ること」。
生活リズムを整えるだけで、薬の効果を最大化し、
あなたの髪の未来を守ることができます。
睡眠不足はAGAだけでなく、体の様々な不調の原因になります。健康的な生活の基本は早寝早起き。早く起きたからこそ、早く眠たくなるわけで、不規則な生活を許していたら、夜眠くならなくて当然です。
夜間は特に、日中も動画やテレビなどの視聴も寝つきが悪くなります。
簡単に言えば、ダメな生活が睡眠不足の元です。
睡眠不足に悩む人は自分の生活を見つめ直し、健康的な毎日を心掛けましょう。
十分な睡眠だけではAGAの原因を一つ防いだにすぎません。
しっかり治療が必要な方は信頼できるお医者さんを頼ってください。
著者鈴木が信頼するクリニックを一つご紹介します。
福島市 久津医院