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はじめに
薬局売却は経営者や従業員にとって大きな転機ですが、患者にとっても同様に影響を及ぼします。
薬局は患者にとって「信頼できるかかりつけ」の存在であり、突然の経営者交代は大きな不安要因となります。
患者対応を誤れば、離反やクレームが増加し、売却後の経営に悪影響を及ぼします。
逆に適切な対応をすれば「安心感」を与え、むしろ患者との信頼関係を強化することも可能です。
本記事では、薬局売却における患者対応の重要性と実践的な方法を解説します。
こんにちは。YAKUDACHI鈴木です。
薬局のメインユーザーは70代を中心とした高齢者です。
思考特性として、「新しいモノを受け入れない」といった保守的な方も多いです。
意外と、薬局が変わったと言って、足が離れるかたもいるので対応しましょう。
薬局売却で患者が感じる不安

- サービスの質が落ちるのではないか
→ 経営者や従業員が変わることで、対応の丁寧さやスピードが低下するのではと懸念。 - 馴染みの薬剤師がいなくなるのではないか
→ 「顔なじみの薬剤師」が患者にとって安心材料であり、退職すれば不安が増す。 - 薬の入手が不安定になるのではないか
→ 経営方針の変化で在庫管理や取り扱い薬剤に影響が出ると心配。 - 医師との連携が途切れるのではないか
→ 主治医からの処方箋をスムーズに扱えるのか疑問を抱く。
薬局売却時、患者対応を怠った場合のリスク

- 信頼を失い、患者が他の薬局へ流出する
- 医師からの処方箋枚数が減少する
- ネガティブな口コミが広がり、新規患者獲得が困難になる
👉 売却後の経営安定のためには「患者対応」が最大のポイントとなります。
人は、問題が起きるとその直前の変化に理由を求めます。
M&Aあるあるですが、門前Drから「薬局が変わってから、患者のクレームが増えた」と言われることがあります。
実際にM&A後に問題のある運営がなされていれば論外ですが、多くは「薬局が変わった」という変化にあらゆる問題を結び付けられていることが原因です。
スタッフが変わっていないのなら、そもそも変化していないことを周知しましょう。「見ればわかるでしょ」はただの思い込みです。
薬局売却時に行うべき患者対応

1. 公表のタイミング
- 最終契約後に速やかに公表
- 事前に公表しすぎると混乱を招くため注意
2. 公表の方法
- 店頭でのお知らせ掲示
- 常連患者への個別説明(来局時やDM)
- 必要に応じて地域医療関係者へ説明
3. メッセージの内容
- 「サービス・薬剤師体制は変わらない」ことを強調
- 「より良いサービス提供につながる」点をアピール
- 旧オーナーからの感謝の言葉を添える
売却後の患者対応

1. 継続性のアピール
- 「これまでと同じスタッフが対応します」と伝える
- レセコンやシステム変更による影響を最小化
2. 新サービスの導入
- 在宅医療や24時間対応を始める場合は積極的に周知
- 「改善」として伝えることで患者の安心感を高める
3. 患者コミュニケーション強化
- 売却直後は薬剤師が積極的に声掛けを行い、不安を吸い上げる
- アンケートや意見箱を設置し、患者の声を収集
成功事例と失敗事例

成功事例
関東のA薬局は、売却時に患者へ丁寧な説明を実施。
「スタッフは変わらない」「サービスが改善される」と周知し、患者の離反はほとんどありませんでした。
失敗事例
関西のB薬局は、売却の事実を患者にほとんど説明せずに経営交代。
「急に薬剤師が変わった」との不安から患者が流出。医師からの信頼も低下しました。
患者対応を成功させる3つのポイント

- 早めかつ適切なタイミングで伝える
→ 契約後速やかに伝え、不安を最小化 - 変わらない部分を強調する
→ スタッフやサービスが継続することをアピール - プラス要素をアピールする
→ 新体制での改善点(在宅医療対応など)を積極的に周知
まとめ

薬局売却において患者対応は「経営の安定」を左右する最重要要素です。
- 患者の不安を理解し、誠実に説明する
- スタッフやサービスの継続を強調する
- 改善点を前向きに伝える
いかがでしたでしょうか。
今期は薬局売却における患者対応についてお届けしました。
長く薬局経営に携わっていると、意外と患者さんが従業員との関係性を重視していることがわかります。
薬局がかわってしまったと勘違いされないよう、M&A前後は特に注意して対応していきましょう。
次回は「薬局売却の相場と価格算定方法|高値で売却するための実務ポイント」についてお届けします。
薬局売買は高額な取引となるため、ちょっとしたポイントを押さえることで、売買金額が変わってきます。ほんの少しの対策を怠って、損失を被らないよう注意してください。