AGAとアルコールの関係|お酒は薄毛を悪化させるのか?現役薬剤師が徹底解説

AGAとアルコールの関係 お酒は薄毛を悪化させるのか AGA概要

「お酒をよく飲む人はハゲやすいって本当?」
「AGA治療中でも飲酒して大丈夫?」

お酒と髪の健康について考える
多くの人が抱える疑問
お酒をよく飲む人はハゲやすいって本当?
AGA治療中でも飲酒しても大丈夫?
本記事の目的
アルコールがAGAに与える影響を科学的に解説し、発毛を妨げない飲酒習慣を紹介する

仕事の付き合いやストレス解消で、日常的にお酒を飲む人は多いでしょう。
しかし、アルコールは体だけでなく髪にも悪影響を与える可能性があります。

本記事では、アルコールがAGA(男性型脱毛症)に与える影響を科学的に解説し、
発毛を妨げないための飲酒習慣の工夫を紹介します。

こんにちは。
現役薬剤師の鈴木重正です。
私も晩酌を楽しみに日々お仕事頑張っています。
そうは言ってもAGAは気になる年頃。
飲酒のAGAに与える影響を正しく理解して、お酒とは適度な距離感で付き合ってます。
(と言いつつも、飲みすぎる日もあります。人間ですから)


1. AGAとは?まずは基本を確認

AGAの基本を理解する
男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)は進行性の脱毛症である
男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)の過剰生成
遺伝的体質
家族歴による発症リスクの上昇
生活習慣
睡眠、食事、ストレス、アルコールなど
重要:アルコールは生活習慣要因の中でも特に見逃せないリスク因子である

AGA(Androgenetic Alopecia)は「男性型脱毛症」と呼ばれる進行性の脱毛症で、
主な原因は次の3つです。

  1. 男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の過剰生成
  2. 遺伝的体質
  3. 生活習慣(睡眠・食事・ストレス・アルコールなど)

このうち、アルコールは生活習慣要因の中でも特に見逃せないリスク因子です。


2. アルコールがAGAを悪化させる3つのメカニズム

① 肝機能の低下によるホルモン代謝の乱れ

肝機能低下とホルモン代謝
アルコールは肝臓で分解されるが、過剰の飲酒が続くと肝機能が低下する
肝臓はホルモンの代謝にも簡易しているため、機能が落ちるとDHTの分解が滞る

アルコールは肝臓で分解されますが、過剰な飲酒が続くと肝機能が低下します。
肝臓は男性ホルモンの代謝にも関与しているため、
機能が落ちると DHT(薄毛ホルモン)の分解が滞る のです。

結果として、

  • DHT濃度が上昇
  • 毛根へのダメージが増加
  • AGAの進行が加速

という悪循環が生じます。

一般的には肝機能低下は薬物の血中濃度をあげます。(だから飲酒したほうがよいとなりませんが)


② 栄養不足を引き起こす

髪の栄養素が奪われる
アルコール分解にはビタミンB群や亜鉛が大量に使われる。これらは髪の成長に欠かせない栄養素でもある。

アルコールの分解にはビタミンB群や亜鉛が大量に使われます。
これらは髪の成長に欠かせない栄養素でもあるため、
飲酒によって髪の材料が奪われてしまうのです。

特に亜鉛は、タンパク質(ケラチン)の生成を助けるミネラル。
アルコールを多く飲む人ほど、髪の生成力が落ちやすくなります。


③ 睡眠の質を下げる

睡眠の質を下げる
よくある誤解
お酒を飲むとよく眠れる
実際の影響
眠りが浅くなる
成長ホルモンの分泌が減少
髪の修復、再生能力が低下
成長ホルモンは髪の修復と再生に重要な役割を持つため、睡眠の質が下がることで発毛環境が悪化する

「お酒を飲むとよく眠れる」と感じる人もいますが、
実際には眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌が減少します。

この成長ホルモンは髪の修復と再生に重要な役割を持つため、
睡眠の質が下がることで発毛環境が悪化します。

アルコールによる眠気は、一昔前の睡眠薬と同じ作用です。
現在、使用されている睡眠導入剤(ベンゾジアゼピン系と呼ばれます)は、ヒトの睡眠リズム(REM睡眠とnonREM睡眠が繰り返す)を邪魔しません。なので、自然に近い睡眠を得られます。
対して、一昔前の睡眠薬は、睡眠リズムを作ることなく一辺倒に意識レベルを落とすだけです。
これがアルコールの眠気です。
特徴は、眠れたんですが、頭がすっきりせず、眠気が残る点にあります。


3. 実際の研究データ:飲酒習慣と薄毛の関係

科学的根拠
研究データが示す真実
日本皮膚科学会の報告
週3回以上の飲酒習慣を持つ男性は、非飲酒者よりもAGA進行率が高い傾向にある
海外研究の知見
慢性的なアルコール摂取により、テストステロンのバランスが乱れることが確認されている。

日本皮膚科学会の報告によると、
週3回以上の飲酒習慣を持つ男性は、非飲酒者よりもAGA進行率が高い傾向にあります。

さらに海外の研究では、
慢性的なアルコール摂取により「テストステロンのバランスが乱れる」ことも確認されています。

つまり、過度の飲酒はホルモンと代謝の両面から薄毛を促進する可能性があるのです。


4. 飲酒がAGA治療の効果を下げる理由

AGA治療への影響
なぜ治療効果が下がるのか
AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド)を服用している場合、アルコール摂取は薬の効果を弱める可能性がある

AGA治療薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル)を服用している場合、
アルコール摂取は薬の効果を弱める可能性があります。


① 肝臓の負担で薬の代謝が乱れる

フィナステリドなどのAGA治療薬は肝臓で代謝されます。
飲酒によって肝臓が疲弊すると、薬の分解が遅れたり、
逆に吸収効率が悪くなったりすることがあります。


② 脱水作用で血流が悪化

アルコールは利尿作用があり、体内の水分を奪います。
血液がドロドロになると、頭皮への血流が低下し、
ミノキシジルなどの効果も発揮しにくくなります。


③ 睡眠の質低下で発毛サイクルが乱れる

発毛環境の悪化
睡眠と毛母細胞の関係
深い睡眠がとれないことで毛母細胞の再生が妨げられる
薬を使っても生える環境が整わない状態になる。

先述のように、深い睡眠が取れないことで毛母細胞の再生が妨げられ、
薬を使っても「生える環境」が整わない状態になります。


5. 髪に悪影響を与えやすいお酒の種類と飲み方

アルコールの飲み方のAGAへの影響
何をどう飲むかが重要
アルコールの種類よりも、飲み方や量が決定的な差を生む

アルコールの種類によって髪への影響は変わりませんが、
飲み方や量が決定的な差を生みます。


⚠ 髪に悪い飲み方

AGAの方が避けるべきアルコールの飲み方
  • 毎日飲む
  • 一晩で大量に飲む(いわゆる“ドカ飲み”)
  • 空腹で飲む
  • 就寝直前に飲む

これらは肝臓への負担・血流悪化・睡眠障害のトリプルダメージを招きます。


✅ 髪に優しい飲み方

AGAに推奨されるアルコールの飲み方
  • 週2〜3回、少量にとどめる
  • 水やお茶を一緒に飲む(アルコールの分解を助ける)
  • つまみにタンパク質(豆腐・卵・肉・魚)を選ぶ
  • 飲酒後はしっかり睡眠をとる

理想は「飲み会を楽しむ」程度でとどめ、習慣化させないことです。


6. 禁酒・節酒による発毛効果

禁酒、節酒の効果
時間経過による変化

禁酒・節酒を実践すると、次のような変化が現れます。

期間体と髪の変化
1〜2週間頭皮の血流が改善し、むくみが取れる
1か月髪のハリ・コシが回復し始める
3か月抜け毛が減少、発毛サイクルが安定
6か月〜肝機能・ホルモンバランスが正常化、髪質が改善

特にAGA治療中の人は、禁酒によって治療効果が2〜3割高まるという報告もあります。


7. 飲酒との上手な付き合い方(AGA予防視点)

AGA予防の実践的なアドバイス

① 「飲む日」と「休肝日」を作る

週に2日は必ず休肝日を設け、肝臓を回復させましょう。

② 水を1杯飲むごとにチェイサーを1杯

アルコールの濃度を下げ、脱水を防ぎます。

③ 締めのラーメンではなく「味噌汁+おにぎり」に

塩分や脂質の摂りすぎは頭皮の皮脂分泌を悪化させます。

④ 飲み会後は頭皮ケア

帰宅後は必ずシャンプーを行い、皮脂や臭いをリセット。
翌朝の血行促進のために軽いストレッチもおすすめです。


8. まとめ|アルコールはAGAの隠れた悪化要因

まとめ
アルコールは隠れたAGA悪化要因
  • 飲酒は肝機能・ホルモン・血流に悪影響を与え、AGAを悪化させる
  • 治療薬の効果を下げるリスクも
  • 適度な節酒・禁酒で頭皮環境が改善
  • 飲み方・頻度を見直すことで髪のダメージを防げる
飲みすぎない
休刊日を作る
これが髪を守る第一歩
今夜の一杯をおさえることが、未来のあなたの髪を守る育毛習慣になるだろう

お酒を完全にやめる必要はありませんが、
「飲みすぎない」「休肝日を作る」ことが髪を守る第一歩です。

今夜の一杯を少し控えることが、
未来のあなたの髪を守る最高の育毛習慣になるでしょう。

いかがでしたでしょうか?
飲酒とAGAの関係について学べましたか?
飲酒するな、というのは簡単ですが、現実的な解とはなり得ません。
大切なのは、正しい知識を持って、AGAを考慮しながらもお酒と付き合っていくことだと思います。

最後に著者鈴木が信頼するクリニックをご紹介します。
福島市 久津医院
AGAの相談がしやすい女医先生です。

次回は「AGAとカフェインの関係|コーヒーは薄毛に良い?悪い?」をご紹介します。