「AGA（男性型脱毛症）は本当に治るの？」
「薬をやめたらまた薄くなるのでは？」
――そんな疑問を持つ方は多いでしょう。
AGAは日本人男性の約3人に1人が発症するとされる進行性の脱毛症です。
放置すれば確実に進行しますが、正しい治療と継続によって改善は十分可能です。
本記事では、現役薬剤師でもある当社鈴木がAGAが治るのか・完治できるのか・再発を防ぐにはどうすればよいかを医学的根拠に基づいて徹底解説します。
私の幼少期、ハゲと水虫の治療薬ができたらノーベル賞と言われてました。
現実にはどちらも治療薬ができましたね。
AGAは完治とは言えませんが、かなり治療効果の高い薬剤（ミノキシジル外用、5αリダクターゼ阻害薬）があるので、多くの抜け毛に悩む男性の強い味方ですね。
Contents
1. そもそもAGAとは何か？
AGA（Androgenetic Alopecia）は「男性ホルモン（DHT）」の影響によって毛髪が細くなり、
最終的に抜けてしまう脱毛症のことです。
原因
- 男性ホルモン「テストステロン」が「5αリダクターゼ」によりDHTに変換
- DHTが毛根に作用し、髪の成長期を短縮
- 成長しきる前に抜け毛が増加
つまり、AGAは「ホルモン＋遺伝」によって進行する病気で、
自然治癒することはありません。
2. 「AGAは治る」の意味を正しく理解する
まず押さえておくべきは、
AGAは完治（＝永久に治る）する病気ではないということです。
なぜなら、AGAの原因である「DHTの分泌」と「遺伝体質」は生涯にわたって続くからです。
しかし、「治る」という言葉の定義を
「見た目が改善し、薄毛が気にならない状態になる」
とすれば、治る＝改善は十分に可能です。
3. AGAが改善する仕組み
治療の基本は「DHTの抑制＋発毛促進」
| 治療法 | 目的 | 主な薬剤 |
|---|---|---|
| 内服薬 | DHTの生成を抑制（抜け毛予防） | フィナステリド／デュタステリド |
| 外用薬 | 毛母細胞を刺激して発毛促進 | ミノキシジル |
| 注入治療 | 成長因子を直接頭皮に注入 | メソセラピー／HARG療法 |
| 再生医療 | 幹細胞などを用いて毛根再生 | PRP／幹細胞培養上清 |
これらの治療を組み合わせることで、
3〜6か月で抜け毛が減り、半年〜1年で発毛が実感できるようになります。
4. AGA治療で改善した後、薬をやめたらどうなる？
結論から言うと、薬をやめると再びAGAは進行します。
これは「治療で症状を抑えているだけ」で、根本原因は体質に残っているためです。
AGA再発メカニズム
- 治療中：DHT生成が抑制される → 抜け毛が減る
- 治療中止後：DHTが再び増加 → 再び薄毛が進行
実際、フィナステリドの服用をやめた人の約60〜70％が、
1年以内に元の状態へ戻るという臨床データもあります。
👉 そのため、**AGA治療は「継続管理型」**と理解するのが正しいです。
5. AGAが「治る」と言える状態とは？
AGAが「治った」と言える状態には、以下の3段階があります。
| 段階 | 状態 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 改善期 | 抜け毛が減り、産毛が生える | 3〜6か月 |
| 回復期 | 髪が太くなり、ボリュームが増す | 6〜12か月 |
| 維持期 | 改善状態を安定的にキープ | 12か月以降 |
治療を続けていくうちに、見た目の年齢が若返るほど改善するケースも珍しくありません。
ただし、治療を中断すると数か月で元の状態に戻ってしまう可能性があるため注意が必要です。
6. AGA改善後に行う「維持治療」
AGA治療は、発毛を促す「積極治療」と、
それをキープする「維持治療」の2段階があります。
AGA抜け毛予防維持治療の方法
- フィナステリドやデュタステリドを低用量で継続
- ミノキシジルを1日1回に減らして維持
- 定期的に頭皮チェック・血液検査を行う
月額5,000〜10,000円ほどで維持治療を継続できるため、
長期的な薄毛予防としてコスパも良いといえます。
7. AGAの「完治」と「コントロール」の違い
医学的には、AGAは「完治（根治）」する疾患ではありません。
しかし、糖尿病や高血圧と同じように、薬でコントロール可能な慢性疾患です。
つまり、
- 治療によって見た目を改善できる
- 維持治療で進行を止められる
- 生活習慣を整えれば悪化しにくい
この3つを実践すれば、実質的に“治った状態を維持する”ことが可能です。
8. AGA治療をやめずに続けるコツ
- 結果を焦らない（効果は3〜6か月後）
- 副作用が出たら医師に相談して調整
- 継続しやすいクリニック・費用プランを選ぶ
- 食事・睡眠・ストレス管理も並行して行う
「続けられる環境づくり」がAGA改善の最も重要なポイントです。
9. 生活習慣でAGA再発を防ぐ方法
薬に加え、次の生活改善を行うことで再発リスクを大幅に下げられます。
- バランスの良い食事（タンパク質・亜鉛・ビタミンB群）
- 十分な睡眠（1日6〜7時間以上）
- 禁煙・節酒で血流を改善
- ストレス発散（運動・趣味・休養）
- 頭皮ケア（低刺激シャンプー・紫外線対策）
体の内側と外側の両面からアプローチすることで、治療効果を最大化できます。
10. まとめ｜AGAは「治す」より「改善・維持する」病気
- AGAは「完治」ではなく「改善・維持」が目的
- 治療で抜け毛を抑え、発毛を促すことは可能
- 薬をやめると再発するため継続治療が基本
- 改善後は維持治療で安定させる
- 食事・生活習慣の改善が再発予防に効果的
AGAは早期発見・早期治療で大きく改善できます。
見た目年齢を若く保ち、自信を取り戻すためにも、
「今から治療を始める」という一歩が、未来の髪を守る最善の選択です。
次回は「AGAは遺伝する？親が薄毛だと発症リスクは高いのか」をご紹介します。