
AGA(男性型脱毛症)の治療薬として、日本で最も多く処方されているのが
フィナステリド(プロペシア) と デュタステリド(ザガーロ) です。
どちらも「抜け毛を防ぐ薬」ですが、作用の強さや副作用、価格などに違いがあります。
この記事では、両者の違いを徹底比較し、自分に合ったAGA治療薬を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
こんにちは。現役の薬剤師鈴木がこの記事を担当します。
今回はフィナステリドとデュタステリドの違いについて解説します。
患者さんからもよく聞かれる「フィナステリドとデュタステリドの違い」ですが、
正直、そんなに大きな差はありません。
なので、まず服用開始することが大切です。
迷っている時間に、抜け毛は進行します。
後退した生え際はかえってきません。フィナステリドでもデュタステリドでも
いいので早く服用開始してください。
たいして差がないなら、なんのための記事だよ
いや、でもよく聞かれるし・・・
知りたいって人がいるなら書くしかないでしょ!
Contents
- 1 1. フィナステリドとデュタステリドとは?
- 2 2. AGAの原因と薬の作用メカニズム
- 3 3. フィナステリドvsデュタステリド効果の比較|どちらが効く?
- 4 4. フィナステリドvsデュタステリド副作用の比較
- 5 5. AGA治療薬の効果が出るまでの期間と継続の重要性
- 6 6. フィナステリドvsデュタステリド価格の比較(1か月あたり)
- 7 7. 現役薬剤師がが教える「AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドの使い分け方」
- 8 8. AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドの注意点と安全な服用方法
- 9 9. フィナステリドとデュタステリドの比較まとめ
- 10 10. AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドまとめ|自分の薄毛タイプに合わせて選ぶのが重要
1. フィナステリドとデュタステリドとは?
フィナステリドとは

1990年代にアメリカで開発されたAGA治療薬で、日本では「プロペシア」という名前で販売されています。
主な効果は 男性ホルモンDHTの生成を抑制する こと。
- 有効成分:フィナステリド
- 商品名:プロペシア、フィナステリド錠(ジェネリック)
- 効果:抜け毛の抑制
- 承認年:2005年(日本国内)
デュタステリドとは

フィナステリドの改良版として登場した、より強力なAGA治療薬です。
日本では「ザガーロ」として2015年に承認されました。
- 有効成分:デュタステリド
- 商品名:ザガーロ、デュタステリドカプセル(ジェネリック)
- 効果:抜け毛抑制+発毛促進
- 承認年:2015年(日本国内)
余談ですが、デュタステリドは前立腺肥大症の治療薬としても2009年に国内承認を取得していて、現在もアボルブという名前で流通しています。
2. AGAの原因と薬の作用メカニズム

AGAの原因は、男性ホルモン「テストステロン」が体内の酵素「5αリダクターゼ」により
「ジヒドロテストステロン(DHT)」へ変換されることにあります。
このDHTが毛根に作用して、髪の成長期を短くし、抜け毛を増やしてしまいます。
フィナステリドとデュタステリドの作用の違い
薬剤名 | 作用する酵素の種類 | DHT抑制率 | 効果の強さ |
---|---|---|---|
フィナステリド | 5αリダクターゼⅡ型のみ | 約70% | 中 |
デュタステリド | Ⅰ型+Ⅱ型の両方 | 約90% | 強 |
つまり、デュタステリドはフィナステリドより広範囲に作用し、効果が高いとされています。
3. フィナステリドvsデュタステリド効果の比較|どちらが効く?

フィナステリドの効果
- 抜け毛の進行を抑える効果が中心
- 初期段階のAGAに有効
- 1年間の使用で約80%の人に効果を実感
デュタステリドの効果
- DHT抑制効果が強く、発毛効果も期待できる
- 進行が早いAGAにも対応可能
- フィナステリドより発毛量が多いという臨床データもあり
👉 総合的に見ると、「進行性AGAにはデュタステリド」「軽度のAGAにはフィナステリド」が目安です。
4. フィナステリドvsデュタステリド副作用の比較

どちらも男性ホルモンに作用する薬のため、一定の副作用リスクがあります。
副作用 | フィナステリド | デュタステリド |
---|---|---|
性欲減退 | 約1〜2% | 約3〜5% |
勃起不全(ED) | 約1% | 約3% |
精液量の減少 | 稀 | やや多め |
肝機能障害 | ごく稀 | ごく稀 |
デュタステリドの方が強力に作用する分、副作用の発現率もやや高い傾向があります。
ただし、どちらも重篤な副作用は非常に稀です。
5. AGA治療薬の効果が出るまでの期間と継続の重要性

両薬とも効果を実感するまでには時間がかかります。
- 初期段階:1〜3か月 → 抜け毛が減り始める
- 中期段階:4〜6か月 → 髪のコシ・ボリュームが戻る
- 長期段階:6〜12か月 → 発毛を実感
AGAは進行性のため、薬をやめると再び抜け毛が進行します。
そのため、継続的な服用が非常に重要です。
6. フィナステリドvsデュタステリド価格の比較(1か月あたり)
薬剤名 | 先発品 | ジェネリック | 特徴 |
---|---|---|---|
フィナステリド | 9,000円前後 | 4,500~6,000円 | 継続しやすい価格 |
デュタステリド | 10,000円前後 | 約5,000〜7,500円 | 効果が強いが高め |
フィナステリドの方が価格が安く、長期的に続けやすい傾向があります。
デュタステリドは効果が強い分、コスト面ではやや負担が増します。
7. 現役薬剤師がが教える「AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドの使い分け方」

AGA専門医の間では、次のような使い分けが一般的です。
タイプ | おすすめ薬 | 理由 |
---|---|---|
初期の薄毛 | フィナステリド | 副作用が少なく、軽度に効果的 |
進行性・広範囲の薄毛 | デュタステリド | Ⅱ型+Ⅰ型の両方を抑制し強力 |
フィナステリドで効果が弱い場合 | デュタステリドへ変更 | ステップアップ治療 |
つまり、フィナステリド → デュタステリド という段階的治療が推奨されています。
8. AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドの注意点と安全な服用方法

- 毎日1回、同じ時間に服用する
- 妊婦・授乳中の女性は触れてはいけない(胎児に影響の恐れ)
- 献血は服用中および中止後1か月(デュタステリドは6か月)控える
- 医師の指導のもと、定期的に血液検査・肝機能検査を受ける
上記にある妊婦、「授乳中の女性は触れてはいけない(胎児に影響の恐れ)」という記述ですが、あくまで公表されている注意事項に基づいての記載です。
フィナステリドとデュタステリドの薬理作用から考えると、そもそも患者以外は触れてはダメです。
例えば、フィナステリドとデュタステリドが生成抑制するDHTは少年期の男性の第2次性徴に必要なホルモンです。
また、献血する可能性がある人と考えると全日本人が対象となるので、しらずにAGA治療薬の成分を体にいれることが無いように、患者以外は触れてはダメだという認識がよいです。
9. フィナステリドとデュタステリドの比較まとめ
項目 | フィナステリド | デュタステリド |
---|---|---|
商品名 | プロペシア | ザガーロ |
作用酵素 | Ⅱ型のみ | Ⅰ型+Ⅱ型 |
DHT抑制率 | 約70% | 約90% |
効果 | 抜け毛抑制 | 抜け毛抑制+発毛促進 |
効果実感まで | 約3〜6か月 | 約2〜5か月 |
副作用 | 少なめ | やや多め |
費用 | 安い(5,000円前後) | 高め(8,000円前後) |
向いている人 | 初期AGA・軽度薄毛 | 進行性AGA・再発防止 |
10. AGA治療薬フィナステリドとデュタステリドまとめ|自分の薄毛タイプに合わせて選ぶのが重要

- 初期・軽度のAGA → フィナステリド(プロペシア)で十分
- 進行しているAGA → デュタステリド(ザガーロ)で強力に対策
- 効果が出るまで半年以上かかるため、焦らず継続が大切
- 副作用や体調の変化は医師に相談しながら調整する
効果が出るまで半年以上かかると記載しましたが、あくまで患者目線で抜け毛減少もしくは毛量増加が実感できるまでの期間という意味です。
体の中で起こっている変化としては、フィナステリドやデュタステリドを飲んだその日からDHT生成は減少します。
AGA治療薬の選択は、「効果」「副作用」「コスト」「継続性」を総合的に考慮することが大切です。
自分に合った薬を選び、長期的に続けることが薄毛改善の最短ルートです。
次回は「ミノキシジルは本当に効く?効果・副作用・正しい使い方」についてご紹介します