今回は新人薬剤師の方におすすめの本をご紹介します。薬剤師として働き始めたものの、どうやってスキルアップしたらいいのか迷っている人におすすめです。
こんにちは。合同会社YAKUDACHI社長の鈴木重正です。私は現在、薬局のオーナー兼管理薬剤師として働きながら、M&Aを利用した薬剤師の独立支援をしています。
そんな私も元々は新人薬剤師(遥か昔ですが・・・)。自分がどうやってキャリアアップしていけばよいか途方に暮れていました。そんな時に本屋さんで偶然見かけた一冊の本が私のキャリアを決定づけました。(後程ご紹介します)
多くの薬剤師にとって新卒1年目から3年目までは一番成長する時期だと思います。
ただ、新人薬剤師の頃って何を勉強したら自分がスキルアップするのかわかりません。ひょっとしたら、今この記事を読んでいるあなたも同様の悩みを持っているかも知れませんね。
今回は薬の話は一切抜きにして、新社会人にとって必要な基本的な知識、スキル、考え方を手に入れるために読むべき本をご紹介します。
薬や病気に関するスキルアップの機会はよくありますが、薬剤師になると意外と社会人としての基本を学ぶ機会が少ないです。
社会人も3年過ぎると、あなたはもう新人とは見られません。
社会人の基本ができていなくても、親切に注意してくれる人はいなくなります。ただのイタい薬剤師として扱われないように、社会人の基本は今のうちに身につけておいてください。
この記事をしっかり読んで頂き、社会人として薬剤師の基本が身に付くことで、あなたは学び続ける素養ができることでしょう。
その時その時に必要な知識、技能、態度を積極的に学ぶことで、いつの間にか、あなたは誰もが認める薬剤師になっているかもしれません。あなたの社会人として、薬剤師としての幸せを願っています。
薬剤師に必要なスキル3分類とその習得方法
薬剤師に、むしろ全ての社会人に必要なスキルは以下の3つに分類されます。
- 知識
- 技能(テクニック)
- 態度、考え方
知識は受動的な学びで手に入れる
薬剤師にとって必要な知識は医薬品に関すること(作用機序や用法用量、相互作用など)や薬局運営に関すること(薬担規則や薬事法、各種加算など)、病気の人の心理、会社経営、税務・会計など多種多様です。
多くの知識は参考文献、レポート、本などの読み物や勉強会、セミナーなどで手に入れることができます。
いわゆるシャワーを浴びるというやつで、誰かの言葉を受け取ることでその知識を得ることができます。
技能(テクニック)は知識プラス練習で手に入れる
薬剤師にとって必要な技能は、調剤手技(軟膏の練り方、シロップの測り方など)や監査手順(処方意図の汲み取り、相互作用、処方適性の評価など)だけでなく、対人コミュニケーションなど多岐にわたります。
ただし、知識と違い、技能は受動的な学びだけでは手に入りません。(つまり、読書だけで技能は上達しない)
一定の知識を基に自分で練習することが技能の習得には必要です。
よく、セミナーなどで実践が大切と言われるのは、この技能の習得の部分です。
「わかる」が「できる」に変わるまで、反復練習あるのみです。
態度は知識プラス日々の実践の積み重ねで手に入れる
薬剤師にとって必要な態度、考え方は医療とは、患者とはなどの根源的なもの。
知識ではその答えを知ることはできても、本当に腹落ちして自分の態度に出るまでには、多くの実践が必要になります。
偉人の考え方に触れるのは重要ですが、日々の実践なくして偉人になることはできません。
読書で薬剤師はスキルを手に入れる
薬剤師にとってスキルアップは興味のある分野だと思います。と同時に難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。
薬剤師にとってセミナーや勉強会といったら薬のことばかり
医療とか薬に関する分野の情報ばかりが集まってきて、いつの間にか薬剤師しかできない人間になってしまうかもしれません。地域の勉強会に参加しても医療の事ばかり、薬局での勉強会に至ってはただの新薬のプロモーションです。
個人で手軽に始めるスキルアップは読書がおすすめ
読書は薬剤師のスキルアップに大変おススメです。私も振り返れば(今、実際に書斎で振り返ってます)3本の本棚に囲まれ、500冊以上の本を読んできました。
本は好きな時間に好きなだけ、好きな場所で読むことができます。朝の通勤電車やランチタイムの一部、帰宅途中のカフェでもいいですし、ゆったりお風呂に入りながらでもいいです。
自分の興味ある分野から読み始めると、いつの間にか読書の習慣ができて、あなたは本を読む人になりますよ。
超すごい人の教えも読書なら格安で読めちゃう
本なんて一冊1000円~2000円くらいで買えます。著者がすごい大企業の創業者であっても、世界的な科学者であってもその教えが格安で読めちゃいます。きっとセミナーだったら一回数十万円の参加費を取られそうな凄腕コンサルタントの本も同様です。
読書はメチャクチャ割安な投資です。私の感覚では数百万円とか数千万円の教えが、たった1,000円で買えることもあるので、本屋さんに行ったらヨダレだらだらで本をかき集めてます。
新人薬剤師におすすめの本5冊
それでは新人薬剤師の方におすすめの本をご紹介します。
繰り返しますが、今回は薬とか医療のジャンルは無しで選びました。
社会人として生きていくうえで、キャリアの早い段階から知っていてほしい考え方や知識を得るのに適した本です。
菜根譚 心を磨く100の智慧
菜根譚の原著は中国の古典ですが、この本は菜根譚のエッセンスだけを100の言葉で抽出して見開きで1エッセンスを解説してくれてます。一つ一つの教えを現代に適用できるように著者がかみ砕いてくれて、理解しやすい内容になっています。人として生きていく考え方の基礎を作ってくれます。なるべくなら学生のうちに読んでおきたい一冊。
今回はご紹介しませんが松下幸之助さんの「道を拓く」もおススメです。
死ぬこと以外かすり傷
幻冬舎伝説の編集者、箕輪厚介氏の著書。読むと一歩踏み出す勇気が湧いてくる。準備万端になるまで待ってるのが時間の無駄だって気づくことができる。
何かを始めるのに躊躇している方は、一度読んでみてください。
プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか
難しいです。難しいですが、ドラッカーは是非、読み続けてほしいので、最も読みやすい(薬剤師がとっつきやすい)と思われるプロフェッショナルの条件を勧めます。現代の偉大なる思想家の考えに触れることができる貴重な機会です。専門家の働き方や価値創造、行動原理を学ぶことができます。この本をきっかけに、他のさらに難しい著作も読んでみてください。
ドラッカーはかなり難しいので、まずは買って本棚に飾っておきましょう。(笑)
でも、きっといつか読む日が来ます。
論語と算盤
薬剤師として生きていくうえで、渋沢栄一翁の思想は大変参考になる。薬局が医療機関にもかかわらず株式会社(営利法人)として認められるという、薬局の本質を理解する助けになる。株式会社とは何か?医療機関とは何か?つまり、薬局はどうあるべきかについて、しっかり理解している薬剤師は生き生きと、堂々と生きていくことができる。薬局薬剤師必読の書。
渋沢栄一翁は新一万円札の顔で有名ですが、東京ガスや東京海上、一橋大学や日本赤十字社の設立にかかわった大実業家です。
あたりまえのことをバカになってちゃんとやる
私の社会人人生の転機となった一冊です。まさに読書が人生を変えました。書いてあることは、社会人の基本中の基本ばかりですが、タイトルにあるように「ちゃんとやる」にはなんだかバカくさい。そう思って私も「ちゃんと」やっていませんでした。落ちてるゴミを拾うとか、目を見て挨拶するとか。「ちゃんと」やるって結構できてなかったり。でも、幼稚園児とか小学生ができてたりするんですよね。社会人になると「ちゃんと」出来てなくても、注意してくれる人は少ないです。この本を読んであなたもちゃんとしましょう。それが社会人の第一歩になります。
薬剤師は資格職。ちゃんとできてなくても「先生」なんて呼ばれて、勘違いしないようにしましょう。
本とともに素敵な薬剤師になってください
最後までこの記事を読んでくださいまして、ありがとうございました。
本文中にも書きましたが、本ほど投資効率の良いものはないと思います。
投資は複利と言いまして、利息にさらに利息がつくので、始めるのは早ければ早いほどよいとされます。
あなたも薬剤師として、早いうちから読書の習慣をつけて、素敵な薬剤師になってください。
いつの日か、どこかでお仕事ご一緒する日を楽しみにしています。
YAKUDACHIでは引退をお考えの薬局経営者様、後継者をお探しの薬局経営者様に事業承継を無料でご提案しております。是非一度ご相談くださいませ。当社では独立希望の薬剤師も多数登録しておりますので、大小さまざまな規模の薬局承継をお手伝いいたしております。