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はじめに
薬局の売却市場は全国的に拡大していますが、地域ごとに特徴があります。
特に 北海道と沖縄 は、人口動態や医療圏の特殊性から薬局M&Aの動向に独自の傾向が見られます。
本記事では、北海道と沖縄に焦点をあて、薬局売却の相場感、買い手の傾向、そして最新のM&A事例を紹介します。
こんにちは。YAKUDACHI鈴木です。
北海道と沖縄、どちらも本州から海を隔てた立地です。
薬局の売却、M&Aにおいてはどんな共通点、違いがあるのでしょうか。
おおまかにいえば、どちらも独自の文化があり、商慣習にも本州とはちがったものが感じられます。
ただ、北海道が開拓の歴史があるように、沖縄は琉球の併合がありました。
その違いからか、薬局売却M&Aにおいても北海度の方が大手チェーンにおおらかなイメージがあります。
沖縄は地元の中小企業が強いイメージですね。
余談ですが、調剤薬局の大手上場チェーンは北海道出身企業が多いんですよ。フロンティアスピリットのあらわれですね。
北海道の薬局売却動向

1. 人口動態と医療圏の特徴
- 広大な地域に人口が分散
- 高齢化率が全国平均よりも高い
- 医師不足・薬剤師不足が顕著
2. 買い手の傾向
3. 売却価格の相場感
- 月間処方箋枚数1,500~2,000枚規模で 1億~2億円前後
- 地方都市や僻地では評価額が下がりやすい
- 在宅医療・地域連携が強い薬局はプレミアム評価
沖縄の薬局売却動向

1. 人口動態と医療環境
- 本島に人口が集中
- 離島医療の特殊性 → 離島薬局は人材不足で承継ニーズ大
- 高齢化の進行スピードは全国平均並み
👉 「人材確保と地域医療連携」が最大の課題。
2. 買い手の傾向
- 県内中堅チェーン薬局(ニチホス、南風堂薬局グループなど)が積極的
- 本州大手チェーン(アイセイ薬局、ファーマライズなど)の進出も拡大
- 離島の薬局は「地域医療の維持」を目的に承継されるケースが多い
3. 売却価格の相場感
- 処方箋枚数1,000~1,500枚規模で 7,000万~1.5億円前後
- 離島は薬剤師不足により評価が低下しやすいが、承継ニーズは強い
- 医療モール隣接薬局は高評価
北海道と沖縄の比較
| 地域 | 特徴 | 買い手の傾向 | 相場感 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 人口分散・高齢化率高い | 道内大手 | 1億~2億円 |
| 沖縄 | 本島集中・離島医療特殊 | 県内中堅+本州大手 | 7,000万~1.5億円 |
👉 共通点は「地域連携」「在宅医療対応」が評価の鍵。
成功する売却のための地域別ポイント

北海道での成功ポイント
- 在宅医療・地域包括ケアへの対応強化
- 道内大手とのネットワークを意識
- 医療法人との関係性を築いておく
沖縄での成功ポイント
- 離島薬局は「医療資源維持」という社会的意義を訴求
- 本州大手の進出トレンドを把握しておく
- 県内チェーンとの競合・協業を見極める
まとめ

薬局売却は全国的に進んでいますが、北海道と沖縄は地域特性によって評価のポイントが異なることが分かります。
- 北海道:人口分散・高齢化に対応できる在宅医療型薬局が高評価
- 沖縄:人材不足・離島医療の特殊性を踏まえた承継ニーズが強い
経営者にとっては、「地域特性を踏まえた準備」と「複数の買い手候補の比較」が成功のカギです。
次回は「薬局売却後の従業員と患者対応|トラブルを防ぐ方法と成功の秘訣」をご紹介します。