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はじめに
薬局売却は、経営者にとって一生に一度の大きな決断です。
しかし「何から始めればいいのか」「税金はどれくらいかかるのか」「従業員や患者にはどう説明すべきか」など、疑問や不安は尽きません。
そこで本記事では、薬局売却に関するよくある質問(FAQ)を整理し、分かりやすく解説します。
こんにちは。YAKUDACHI鈴木です。
今回は薬局売却にまつわるQ&Aです。
マイホームや結婚式とM&Aはよく似ています。
どちらも、多くの人にとっては一生に一度の出来事。
ってことは、あなたは初心者なんです。
初心者は、ビジネスにおいては弱者ともとれます。
初めてのマイホームで、余計なオプションをもりもりにして
いつのまにか予算オーバー、だけどローンは通過したから買えちゃったとか
よく聞く話ですね。
M&Aも同様で、業者任せにしていると、適切な価格で売却できなかったり
タイミングを逃してしまったり、大きな失敗につながりかねません。
しっかり知識をつけて準備しましょう。最後は信頼できるパートナーとして
M&A仲介を利用されるのもよいです。
私で良ければ、いつでもご連絡ください。
Q1. 薬局を売却するにはどのくらいの期間がかかりますか?

一般的に 半年〜1年程度 かかるケースが多いです。
- 準備(資料整備):1〜2か月
- 買い手探索・面談:2〜3か月
- 基本合意〜デューデリジェンス:2〜4か月
- 最終契約・クロージング:1か月程度
👉 規模や条件によってはさらに短縮・延長する場合があります。
上記はあくまでモデルケースです。
薬局の売却には諸々の事情があります。中にはどうしても急いで売却しなくてはならないケースも。
私の経験上、最速の薬局売却は、当社との初回面談から2週間で最終契約、その2週間後に代表交代してクロージングまで計1か月でした。
売り主様にとても喜んでいただいたのが良い思い出です。
Q2. 薬局売却の価格はどうやって決まりますか?

薬局の売却価格は、以下の要素で決まります。
- 月間処方箋枚数(1,500枚が標準的)
- 売上・利益水準
- 立地条件(医療モール隣接、駅前などは高評価)
- 在宅医療対応や地域連携の有無
- 薬剤師人材の安定性
利益額ももちろんですが、運営のしやすさは薬局売却価額に影響します。なかでも薬剤師採用の難易度が大きいでしょう。
東京23区内が最も価格が出やすいです。
都心部は人口動態も優れているので、長期目線でも買いやすいと言えます。
Q3. 薬局の売却益にはどのように課税されますか?

- 法人薬局(株式譲渡、事業譲渡も選択可):譲渡所得税 約20%(株式譲渡の場合)
- 個人薬局(事業譲渡):累進課税(最大55%)+住民税10%
👉 株式譲渡の方が税務上有利なケースが多く、事前の税務シミュレーションが重要です。
一般的に複数薬局運営している法人の譲渡であれば、株式譲渡が選択される場合が多いです。逆に1薬局のみ運営であれば事業譲渡が多いです。
上記で税率の違いを論じておきながらですが、実務的には譲渡益に対して代表者の退職金を充てて課税を回避することが多いので、事業譲渡も株式譲渡も選択可能です。
ここで論点になるのが、株式譲渡と事業譲渡の違いです。事業譲渡は譲渡対象資産を限定して売買します。例えば、土地建物1億円+調剤機器2千万円+医薬品在庫1千万円+営業権5千万円のような形です。つまり、買い手が受け取る対象が極めて明確なんです。
それに対して株式譲渡では、言ってしまえばその会社全体が売買対象。当然、現在有効な締結済み契約も全て引き継ぎます。買い手がいくら情報開示してもらい、デューデリジェンスを重ねたところで、所詮、数か月前に知った会社を外から眺めているにすぎません。その会社に対する理解度は、どこまでいっても完全にはならないのです。
そんな、見えないところのある会社に値段をつけて買い取るのが株式譲渡なので、買い手には一定のリスクがあります。
Q4. 薬局売却時、従業員にはいつ、どう説明すればいいですか?

売却直前に突然伝えるのは避けるべきです。
- まずは管理薬剤師やキーパーソンに事前に共有
- 全体説明会で「待遇は維持される」ことを明確に伝える
- 個別相談窓口を設け、不安を解消する
👉 従業員の信頼を守ることが、売却成功のカギとなります。
Q5. 薬局売却時、患者や医師にはどのように伝えるべきですか?

- クロージング後に公式なお知らせを店頭やDMで掲示
- 「サービス内容やスタッフは変わらない」ことを強調
- 医師や病院には直接訪問し、関係継続を丁寧に説明
👉 地域の信頼を維持することが最も重要です。
Q6. 薬局売却時、M&A仲介会社は必ず必要ですか?

必ずしも必要ではありませんが、専門性が高いため利用を推奨します。
- 医療M&Aに実績のある仲介会社は買い手ネットワークを持っている
- 価格交渉や契約調整をプロが行うため、リスクを減らせる
- 自力での売却は情報漏洩や不利な条件になりやすい
👉 複数の仲介会社を比較検討するのが理想です。
Q7. 薬局売却後の生活はどうなりますか?

- まとまった売却益で「老後資金の確保」が可能
- 資産運用や新規事業に挑戦する人も多い
- 薬剤師として再就職や顧問業で活躍するケースもある
👉 事前にライフプランを設計することで、安心して次の人生に進めます。
Q8. 薬局売却でよくある失敗は?

- 相場を知らずに安値で売却
- 従業員や患者への説明不足
- 財務・在庫の整理不足で減額される
- 税務・相続対策をしておらず手取りが少ない
- 仲介会社選びを誤り、条件交渉に失敗
👉 情報不足・準備不足・相談不足が失敗の原因です。
Q9. 薬局売却を考えるタイミングはいつが良いですか?

- 経営が安定しているとき
- 薬価改定前後の動向を見極めたタイミング
- 後継者不在や健康上の理由が出る前に早めに準備
👉 「まだ先」と思っても、2〜3年前から準備するのが理想です。
Q10. 薬局売却か廃業か迷った場合は?

廃業は従業員の雇用や患者の通院先を奪うリスクがあります。
売却であれば、地域医療を守りながら経営者は利益を得られるメリットがあります。
👉 専門家に相談し、複数のシナリオを比較することが大切です。
まとめ

薬局売却は「高く売ること」だけでなく、従業員や患者の信頼を守り、将来のライフプランまで見据えることが成功の条件です。
- 売却期間は半年〜1年を想定
- 価格は「利益×3〜5倍」が相場
- 税金・相続・従業員対応まで考慮する
- 専門家を活用し、早めに準備する
いかがでしたでしょうか。薬局の売却に関する疑問は解決されましたか?
私は自社で6年間、サラリーマン時代を含めると10年以上薬局のM&Aに関わってきました。
その中で、多くの経営者の方が急いで売却しなくてはならなくなり、結果として十分な対価を得られなかったのを見てきました。
ここで買い手企業を責めるのは酷です。売り手の急なスケジュールに合せなくてはならないのであれば、譲渡対価を引き下げざるを得ないのは当然です。
人生に終わりが必ずくるのと同様に、経営にも終わりは来ます。スムーズな譲渡を実現するためには、十分な時間的余裕をもって取り組んでください。
弊社YAKUDACHIでは薬局売却に関するご相談承っております。お気軽に以下問い合わせフォームよりご連絡ください。
次回は「薬局売却と地域医療への影響|承継がもたらす課題と可能性」についてお届けします。