メディカルシステムネットワークの「不動在庫消化サービス」概要と他社比較

調剤薬局の経営を圧迫する“デッドストック（不動在庫）”を、ネットワーク内で売買・循環させてロスを最小化するのが、メディカルシステムネットワーク（メディシス）の「デッドストックエクスチェンジ（不動在庫消化サービス）」です。同社の医薬品ネットワーク事業の中核機能として提供され、特許（第6078193号）取得済みの独自ロジックにより90％超の高いマッチング率を掲げています。仕組みは、薬局がオンラインでロット・期限・数量を登録すると、最適な引受先が自動マッチングされ、店舗間の金銭授受は発生せずに清算される点が特徴です（年4回の定期実施）。(メディカルシステムネットワーク)

仕組み・清算・実施頻度

• 登録からマッチングまで：オンラインで不動品（ロット／期限／個数）を登録 → 独自ロジックで引受店を自動選定。年4回の定期開催形式で運用。(メディカルシステムネットワーク)
• 清算方式：金銭のやり取りはネットワーク内の決済スキームで処理され、加盟薬局間で直接の送金等は不要。(メディカルシステムネットワーク)
• 参考条件（外部案内より）：加盟向け案内では、薬価の6割相当での取引、手数料不要（加盟店専用）、送料は発送側負担、**年4回（1・4・7・10月）**といった運用例が示されています（対象は薬価収載品・使用期限6か月以上、麻薬・注射類などは不可）。※実際の条件は加盟スキームにより異なる可能性があります。(アクシス)

連携・周辺プロダクト

メディシスは、在庫管理や清算の効率化を目的に周辺サービスとも連携。例えば過去にはEMシステムズのレセコン（Recepty NEXT）と提携し、同社機能搭載商品の開発・販売を進めるなど、現場運用に溶け込む導線を整えてきました。(薬事日報)
また、同社の「医薬品ネットワーク」には、価格交渉・決済代行、在庫管理システム提案、不動品消化などが束ねられており、経営効率化を包括的に支援する位置づけです。(メディカルシステムネットワーク)

他社サービスとの比較（代表例）

1）みんなのお薬箱（くすりの窓口）

• 形態：常時稼働のオンライン・マッチング（医療機関限定）。
• 規模感（実績）：加盟16,586店舗、月間取引約11,888回、年間売却率平均88％（2024年10月末時点）。
• 特徴：随時出品・購入が可能で、常時流通を作るタイプ。
  → 比較観点：メディシスの「定期開催×高マッチング率×決済内製化」に対し、常時流通×大規模ネットワークで回転を生むモデル。(くすりの窓口, みんなのお薬箱)

2）MEDISTORY（イントロン／「あなたの調剤薬局」）

• 形態：加盟審査を通過した薬局間の売買（身元保証型コミュニティ）。
• 費用感：月額4,000円の定額（従量課金なし）と明示。2025/9/1開始の販売手数料無料キャンペーンなどの施策も展開。
• 特徴：評価機能や検索UIを備え、不動在庫の収益化と仕入れコストダウンを同時に狙う。
  → 比較観点：メディシスの“定期・清算一体型”に対して、定額・常時利用のマーケットプレイス色が濃い。(イントロン, lp.yppp.jp, プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES)

3）メドシェア／メドサーチ（ファーマクラウド等）

• 形態：レセコン出力データから不動在庫リスト自動生成→出品・購入までを支援。
• 強み：自薬局の調剤実績に基づき**“買うべき医薬品”を自動抽出**するなど、意思決定を省力化。
  → 比較観点：在庫可視化＆内製アルゴリズムでの購買支援に強み。メディシスの“ネットワーク決済＋定期開催”とは志向がやや異なる。(株式会社ファーマクラウド | 医薬品流通の非効率をなくす, astemf.jp)

4）ばくりっこ・薬ネット・イヤクル ほか

• ばくりっこ：売買・等価交換の仲介サイト。等価交換で金銭授受を省ける点がユニーク。(info.bakuricco.com)
• 薬ネット：医療機関専用の定額制マーケットで、不動在庫を処分し安価購入も可能とアピール。(yakunet.com)
• イヤクル：スマホ前提のアプリ型。簡単出品・購入、ロス削減を強調。(イヤクル：医薬品ロスをクルっとなくす)

メディシス方式の強み・留意点

強み

1. 高マッチング率（90％超）：定期開催×特許ロジックで成約を最大化しやすい。(メディカルシステムネットワーク)
2. 清算の一体化：店舗間の金銭授受を省略し、事務負荷とリスクを軽減。物流・決済が枠組み化されている安心感。(メディカルシステムネットワーク)
3. ネットワーク施策との一体運用：価格交渉・決済代行・在庫管理などと併せて、経営全体の最適化に繋げられる。(メディカルシステムネットワーク)

留意点

• 開催頻度（年4回）：緊急度の高い在庫最適化や、常時の仕入れ最適化を狙う場合は、常時稼働型のサービスの方が合う局面もある。(メディカルシステムネットワーク)
• 取扱条件：対象品目や期限、送料負担、価格（薬価の6割等）など利用条件の適合性を要確認（加盟スキームで異なる）。(アクシス)

どのタイプが自社に合うか（選定の指針）

• 「年4回の定期運用で一気に不動在庫を吐き出し、決済事務も丸めたい」
  　→ メディシス：高成約率×決済一体でロス圧縮と事務軽減を両立。(メディカルシステムネットワーク)
• 「常時、安く仕入れ・こまめに売却してキャッシュを回したい」
  　→ みんなのお薬箱／MEDISTORY／薬ネット等の常時マーケット。規模や費用モデルで比較。(くすりの窓口, みんなのお薬箱, lp.yppp.jp, yakunet.com)
• 「社内の在庫可視化と購入意思決定の自動化を強化したい」
  　→ メドシェア等のデータ連動型。自薬局の需要データに紐づくレコメンドは運用性が高い。(株式会社ファーマクラウド | 医薬品流通の非効率をなくす)

まとめ

メディカルシステムネットワークの不動在庫消化サービスは、特許ロジック×定期マッチング×決済一体という“運用の作り込み”が強みで、成約率と事務効率を両立させたい薬局に向きます。一方、随時の売買回転や定額・常時利用を重視するならマーケットプレイス型（みんなのお薬箱、MEDISTORY、薬ネット等）、社内在庫の可視化と意思決定支援を高めたいならデータ連動型（メドシェア等）が有力です。自社の在庫発生パターン（散発型／蓄積型）、資金繰り方針（処分重視／仕入最適化重視）、現場の事務負荷耐性を軸に、ミックス導入も視野に比較検討するとよいでしょう。(メディカルシステムネットワーク, くすりの窓口, lp.yppp.jp, 株式会社ファーマクラウド | 医薬品流通の非効率をなくす)

※本稿の他社条件・実績は公開情報の引用であり、最新の料金・適用条件は各社の最新告知をご確認ください（例：MEDISTORYは2025年9月1日開始の手数料無料キャンペーン情報あり）。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1｜PR TIMES)