自己分析の必要性を理解していない薬剤師、多いです。
そんなことしなくても就職できるよね。薬剤師資格あるんだし。
就職先選びは人生のターニングポイントになります。そんな重要な意思決定を自分のこともわからずに決めることはできません。
新卒者の就職先選びだけでなく、転職活動中の薬剤師も是非、自己分析して自分に合った仕事を見つけましょう。
薬剤師や薬学生の方は自己分析が不足しやすいです。
これは薬剤師資格によって就職先が一気に絞られるからだと思います。
普通の大学生、例えば経済学部の学生だったとしたら、就職を考えたときに自己分析せずには選べません。
なぜなら、あらゆる業界業種が就職先候補だからです。
ただ、薬学生の就職活動、薬剤師の転職活動に自己分析は必須です。
この記事の想定読者:薬学生だけど、しっかり自己分析したい方、薬剤師で転職活動中の方
この記事を読んで、自己分析についてしっかり理解して、さらには「自己分析→ガクチカ」 の流れを理解することにより就活を決定的に有利に進めるようになります。
就職活動は大切にしてください。人生の中でもかなり大きなターニングポイントになります。
Contents
なぜ薬剤師、薬学生の自己分析は不足するか
自分がどんな特徴、考え方を持っていて、得意なことや苦手なことは何か。
自分にはどんな仕事内容が向いているのか?集団生活が得意か?それとも独りで黙々と作業 が向いているか?
自己分析して、自分自身の事をしっかり理解してからでないと就職先候補すら選べません。
ところが薬学生、薬剤師にはこのステップが無いのです。
多くの薬学生の就職活動は病院、薬局、ドラッグ、メーカーMR、進学の5択を消去法で選んで、生涯年収や初任給、あてにならない口コミでただなんとなく・・・・
でも、就職して3年もたたずに「こんなはずじゃなかった・・・」と転職活動です。
それからやっと転職活動の際に、本当に自分にあった職場を探して自己分析に取り組む方もいますが、それなら就活時点から取り組めばよいと思います。
薬学部生でも、文系学生と同じようにしっかり自己分析するべきです。
薬剤師のための自己分析の基本
薬剤師にとって自己分析とは
薬剤師にとって自己分析とはなんでしょうか。
いや、だれにとっても、自己分析とはまさに、自分を知ることです。
自分の事だから、もちろん、知っている。というのは、大きな勘違いで、みんな自分で自分の事がわかっていません。私もわかっていませんし、あなたもそうです。
分かっていないからこそ、自己分析手法を用いて自分で自分を知る必要があります。
自分の事を知って初めて、長期的なキャリアプラン、人生プランを立てることができます。
逆に言えば、場当たり的な転職を繰り返す薬剤師は自分の事がわかっていません。
転職先を探す時も「年収や休みの多さ」といった表面的な事柄でしか職場選びができないため、同じように次の職場でも満足度は低く、さらなる転職活動を繰り返すことになります。
薬剤師に自己分析が役立つ理由、メリット
薬剤師に自己分析が役立つ理由、メリットは多いですが、主に次の二つに集約されます。
- 自分に適した職種、職場がわかる
- 在職中の仕事に対するモチベーションが上がる
自分に適した職種、職場がわかる
自己分析により自分に適した職種や職場がわかるようになります。
これが就職活動で自己分析が求められる理由です。
同じ人間でもカレーが好きな人とラーメンが好きな人がいるように、同じ薬剤師でも薬局向きの人と病院向きの人がいます。
単純に初任給が高いからとか、医師のカルテが見れるからといった、よく言われる理由だけでなく、本当に自分にあった職場として選ぶことができるようになります。
在職中の仕事に対するモチベーションがあがる
自己分析により在職中の仕事に対するモチベーションが上がります。
自分に適した職種を選んでいるうえ、納得して職業を選択しているので、仕事中の満足度も高まります。
いつ自己分析するべきか
自己分析するタイミングは複数あります。もちろん、就活中は重要なタイミングの一つですが、もし自己分析したことない方は、いつでもいいので早いうちに一度はしてみてください。自分では気づいていなかった自分の特徴や思い込みなど、明らかにするだけで、現状に対する満足感は変わりますし、もしかしたらより良い転職のきっかけになるかもしれません。
誰と自己分析するべきか
自己分析は基本的に一人でする作業なので、誰とも一緒にする必要はありません。(ただし、一部の自己分析手法は他者へのヒアリングがあります)
もし、誰かと一緒に自己分析するとしたら、分析結果を共有すると良いでしょう。
友人との共通の話題とすることで、振り返るきっかけが増えますし、自分の中での意識付けも強くなります。
おススメの自己分析の方法
本屋に行けば自己分析に関する書籍はそれこそ山のようにあるので、自分の感覚で2,3冊購入すればよいと思います。
恐らく似たような内容ですが、結局やるべきことは実際に分析すること。
つまり読んで「ふ~ん」で終わりではなく、自己分析の実行です。
私が利用したのはたまたま読んだ「メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)」前田裕二著の付録にあった自己分析1000問です。
結構時間はかかりますが、自分自身と向き合う貴重な時間なので、むしろ長い時間がかかることにこそ価値があるはずです。ちなみに当時の私のメモには自己分析の結果として下記のようにありました。
君は社会に強さを認められると、他人の良い点に気付き、弱者の味方になれるんだね。でも新しい環境に入った直後は強さを示して来なかったから、認められてないと感じ、他人の悪いところに目がいってしまう癖があるよ!社会に認められる力をつけること、それを示すアイテムやタイトルを身に付けることは、君があるべき自分でいるために必要なこと。性格に合わなくても取り組むべきだね!
2019年2月5日著者メモ(Google Keep)
なんで自分に向かって「君は」とか詩的な呼びかけ方をしているのかは大いに疑問ですが、自己分析で自分再発見してテンション上がったからだったと思います。
ただ、結構読み返してみても今の自分に役立っていると実感します。
どんなときにどんな理由でストレスを感じやすいか、それを防ぐにはどう振舞えば(演じれば)よいかについて、答えてくれていると思います。
ちなみに私はブランドや肩書が大嫌いですが、自己分析の結果を受けて高級車を買って通勤することにしましたし、名刺の肩書はでかでかと「社長」といれました。
自分の感性からすれば、少し違和感ありますが、それでもやってよかったと思っています。
ここまで読んで、転職しようと思った方は以下の記事「もう流されない!転職に迷う薬剤師が決めなきゃいけない3つのこと」もご参照ください。
もう流されない!転職に迷う薬剤師が決めなきゃいけない3つのこと
薬剤師(薬学生)の為の自己分析→ガクチカのススメ
ここまでは薬剤師の為の自己分析について書きましたが、最後に就活中の薬学生のために、自己分析からのガクチカの作り方について書きます。
ガクチカとは
ガクチカは皆さんご存じの通り「学生時代に力を入れたこと」として、エントリーシートや面接でよく問われることです。
ガクチカは学生である皆さんが、その会社に入った後にどんな会社員になるかを推し量るために、採用企業側は聞いています。
就活時の提出資料の記載事項としては、かなり重要な項目となりますのでしっかりとした内容を記載したいところです。
印象の悪いガクチカとは
採用側の意図が理解できていないと、印象の悪いガクチカになります。企業側は学生の人物像が知りたくてガクチカを聞いています。
単純に学生時代を振り返り、多くの時間を費やしたこと(部活やサークル活動)を思い浮かべ、思い出に浸ると、自分の印象に残っている事(大会で優勝したこととか、合宿行って楽しかったこと)をガクチカに書き連ねることになります。
印象の良いガクチカは
採用側の意図をしっかり理解して、印象の良いガクチカを作成しましょう。
ガクチカの元となる材料は印象の悪いガクチカの項目で紹介したもの(部活やサークルの出来事など)と変わりません。ただし、多くの材料の中から、必要なものを取捨選別し、そこに自分自身の考えや気づき、学びといった記述を加えることで、グッと印象はよくなります。その際に、自己分析が欠かせないのです。
自己分析からガクチカを作成する
自己分析によって自分自身の特徴、特性が見えてきます。例えば、私の場合なら「タイトルを毛嫌いしているくせに、タイトルがあるとストレスが軽減されて仕事がスムーズにいく」という自己分析が出ています。これをガクチカのストーリーに落とし込みます。
(ガクチカの材料 例)
- バレー部に入部
- 部活内で仲が悪くなり、つまらない新人時代
- 2年生になってからは部活を楽しめた
(自己分析をストーリーに落とし込んだガクチカ 例)
「バレー部に入部したての頃は、先輩の指示にイチイチ噛みつく生意気な新人でした。でも、いつの間にか、周囲との摩擦が生じて部活の面白さが半減しました。ただ、続けていくうちにいつの間にか自分も先輩となり、後輩を指導する立場に。生意気だった自分を反省しながら、部を運営していくことにも面白さを感じ、どんどん部活が好きになっていきました。」
上記のようなガクチカ(実際には長さや表現など体裁は整える必要あり)を読んだ採用担当者は以下のように考えると思います。
「この学生はつまらない、と初めは感じることも継続することができ、継続することで状況が好転することを体験している。また、全体運営にも向いていそうだ。」
本当にこの通り、捉えてくれるかはわかりませんが、上記のようなガクチカは好印象なのは間違いありません。
大切なのは出来事を無作為に羅列するのではなく、ストーリーを持たせること。そのためには自己分析をしっかりして、自分に対する理解を深めなければ、ストーリーは描けません。
薬剤師に自己分析が必要だと感じましたか?
最後までこの記事を読んで頂きありがとうございました。
薬剤師にとって自己分析が必要であると感じていただけましたでしょうか。
ともすれば簡単に就職できる資格を持っているが故に、自分の適性を考える機会を失っている。
そんな多くの薬剤師の方が一人でも多く自分の事を知って頂き、より自分に適した職業を手に入れることを願っています。