起業は儲かりそうなこと、ではなく、やりたい事からスタートしましょう。
自分のやりたい事を実現するために、事業として成立するビジネスモデルを模索する、が正しい順番です。
こんにちは。合同会社YAKUDACHI代表の鈴木重正です。
今回は起業志望の薬剤師向けに、起業の一歩目である事業内容の決め方につき書きました。
最近特に起業志望の薬剤師、増えてます。
薬剤師の場合、若いうちにそれ相応の収入が得られるので、比較的余裕がある方が多いせいでしょうか。
特に薬局業界ではミドルエイジの社員にダブつきが見られ、若い世代が自分のキャリアを社内に描けないことも一因にあるように思えます。
そんな起業志望の薬剤師ですが、事業内容の決め方を学んだ経験があるわけもなく、一部では起業したいけど自分に何ができるかわからない=現状維持で今の会社にとどまるといった声も聞こえてきます。
今回の記事では、そんな起業したいけど一歩踏み出せないでいる薬剤師に、事業内容の決め方を中心に、その後の起業までのステップ、起業準備に必要なことをまとめました。
この記事の対象読者:起業したいけど一歩踏み出せない薬剤師
あなたもこの記事を読んで、もしよければ起業家仲間になりませんか? YAKUDACHIは薬剤師の独立を応援しています。
Contents
薬剤師の事業内容の決め方
繰り返しますが、事業内容の決め方は1やりたい事、2成立するビジネスモデルの模索です。
儲かるアイデアから起業するんじゃないってことですね!
その通りだよ。John。
世の中には常に放置されている、もしくは改善の余地のある問題が山積み。その中から、自分が解決したいと思えることを見つけることが先決だよ。
環境の変化やテクノロジーの発展が新たな改善余地を生み続けるってわけね。
さすが、Stephanie。
素晴らしい視点だと思うよ!
既に解決されたと思える分野も、テクノロジーが発展することで、改善の余地は生まれ続けるんだ。
起業しようとする人は、自分がやりたい事をリストアップして、成立するビジネスモデルを模索しましょう。一見解決が難しい事も、ニューテクノロジーを取り入れることで、あっさり解決することも。
やりたい事のリストアップ
事業内容はまず、やりたい事のリストアップから始めましょう。
やりたい事が全然わからないという方は、自己分析が足りてないかも知れません(自己分析についてはこちらをご参照ください)。
薬剤師には自己分析→ガクチカが足りない
自己分析をしっかりしても、それでも、やりたい事が見つからないとすれば、情報収集不足です。ある程度、自分の持つスキルに沿った業種業界の知見を集める必要があります。
やりたい事がリストアップできたら次のステップに進みます。
できる事のリストアップ
自己分析によって自分のやりたいことが明確になっていれば、次のステップは自分にできることや、得意なことのリストアップです。
そこまで難しい作業ではないと思いますが、実際に紙に書いてリストアップすることが大切です。
十分な時間を自己分析にあてている方は自身の経歴や性格、家庭環境などの振り返りがすんでいるのでスラスラ書けると思います。
逆に自分にできることや得意なことが思い浮かばないのであれば、自己分析の「掘り下げ」が足りないのではないでしょうか。
自分と深く向き合ってリストアップしていきましょう。
ここまでで自分のやりたいことが明確になって、しかもその中で得意なことやスキルに沿ったことが絞られているので、自身が起業するその事業内容を考える土台はほぼできたと思います。
できない事は他人に任せる
当たり前ですが、自分が得意でないことは、ほかの人にやってもらえばよいだけです。
私もそうでしたが、ビジネス関連の書籍で頭でっかちになっていると、最先端のビジネスモデルとか、今後成長が期待されている分野とか、注目があつまっているサービスやプロダクトを事業内容に取り入れたくなってしまいます。
ですが、そもそも自分が得意でなければどこかの誰かがやってくれればよいだけです。
当たり前といえば当たり前なのですが、ここが結構(特に起業初心者の)落とし穴だと思います。
別にあなたは自分のビジネスにAIを取り入れる必要はないですし、フィンテックと全然関係ない分野で起業してもよいのです。
指をくわえているだけで、他人が世の中を良くしてくれるのであれば万々歳です。
逆に自身のキャリアやスキルと無関係な分野で”儲かりそうだから”という理由だけで起業しようとすると、一気に起業のハードルが上がり、収益化の道がなかなか見えないでしょう。
やがて”自分には起業は無理”と諦めることにもつながります。
あくまで事業内容は自分自身の得意分野、スキルに沿ってやりたいことを選ぶべきです。
ビジネスモデルを模索する
やりたい事、できそうな事が決まったら、成立しそうなビジネスモデルを模索します。と、言っても一から考える必要はありません。
世の中には、超優秀な人たちが成功した企業のビジネスモデルを詳細に解析した本がいくつもあります。
そんな本を2,3冊読んで、はっきり言って、パクるだけです。ご参考までに私が読んで良かったと思うビジネスモデル関連書籍をご紹介します。
勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 大前研一
読み物としてもかなり面白い。大前研一氏が現代の渋沢栄一翁と言われるゆえんがわかる。新旧、大小織り交ぜて27の企業につきビジネスモデルを分析、解説し、さらにそこから大前氏なりの各企業への提言がなされている。定価2,900円だが、少なく見積もってその1000倍の価値がある。読まなきゃ強烈に損している。
ビジネスモデル全史 三谷宏治
誰でもわかる簡単な言葉で、本質をシンプルに語り、画像や図を多用して読者の理解を促す。資料作成の王道のような本。膨大な情報量をギュギュギュっと詰め込んでいるはずなのに、さっくり読めてしまう。
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書 アレックス・オスターワルダー (著), イヴ・ピニュール (著), 小山 龍介 (翻訳)
実際にビジネスモデルを組み上げるときの設計図の書き方を学べる教科書。ビジネスモデルの組み方のノウハウが学べるだけでなく、スタートアップ初期の組織運営のコツも学べてお得。
事業内容が決まった薬剤師は起業準備に入ろう
事業内容が決まった薬剤師は一歩踏み出しましょう。自分の中だけで計画しているうちはまだ一歩踏み出したとは言えません。ビジネスモデルまで組みあがったのならば、実際のビジネスとして走り始める準備に着手しましょう。
退職準備
別に現代経営において、起業はイコール退職ではありません。ただし、多くの起業家は(特に起業当初は)冗談みたいに忙しいので、会社員との二足の草鞋は無理です。少なくとも退職する準備だけはしておきましょう。
法人設立
法人設立も、別に必須ではありません。ただし、起業に伴う特に経済面のリスクを実生活と切り離す意味でも、法人設立は有効です。法人設立は副業には当たらないので、数万円の費用はかかりますが、覚悟のないまま(会社員のまま)、ここまではこれます。
薬剤師の為の法人設立はこちらをご参照ください。「専門家への依頼不要!独立薬剤師のための超簡単、会社の作り方」
専門家への依頼不要!独立薬剤師のための超簡単、会社の作り方
銀行口座開設、融資
銀行口座開設、融資申込みまで来ると、恐らく、あなたの腹も決まってるはず。実際、口座開設と融資実行までは結構な労力がかかってきますし、融資実行となれば会社員時代には見たこともない額の現金が振り込まれるので、もう後戻りはできません。
薬剤師のための資金調達はこちらをご参照ください。「実際に独立した社長が明かす薬剤師のためのM&A資金借入の方法」
実際に独立した社長が明かす薬剤師のためのM&A資金借入の方法
薬剤師の皆さん、事業内容の決め方について理解は深まりましたか?
最後までこの記事を読んで頂きありがとうございました。
私は幸いにも、起業、独立に関して会社員時代から多くの学びの機会に恵まれました。
ただ、多くの薬剤師にとって経営学や起業、独立ノウハウなどは縁遠いのではないでしょうか。
私は起業して、本当に良かったと心から思っています。なので、皆さんに少しでもお役に立ちたいと思い、この記事を書きました。
皆さんが経営者として、この社会を大きく発展させる、大きく羽ばたくことを心から願っています。
なお、当社YAKUDACHIでは「そろそろ引退を・・・」とお考えの薬局経営者様、ご自身の後継者をお探しの薬局経営者様に、事業承継をご提案させていただいております。企業への売却はもちろん、当社には独立希望の薬剤師も多数登録ありますので、是非一度、ご相談ください。