薬局売却と金融機関・投資家の視点|資金調達・投資判断から見る薬局M&Aの実態

薬局売却と金融機関、投資家の視点 薬局 M&A

Contents

はじめに

薬局売却は経営者と買い手企業だけの問題ではなく、金融機関や投資家にとっても大きな関心事です。
銀行は融資回収や新規貸付の観点から、投資家は資産運用の観点から薬局M&Aを注視しています。

本記事では、薬局売却における金融機関・投資家の視点を解説し、売却時に意識すべきポイントを整理します。

取引金融機関は通常、M&Aの際の秘密保持契約においても情報開示先に含まれます。さらに金融機関は当然に顧客の秘密保持義務があるので、事前に相談することができます。


金融機関から見た薬局売却

金融機関からみた薬局売却

1. 融資回収リスク

  • 売却時に既存借入が残っている場合、銀行は返済を最優先で確認
  • 売却代金から借入返済を行い、残額が経営者の手取りとなるケースが多い

2. 新規融資の可能性

  • 買い手企業が承継後に追加投資(設備投資・店舗拡張)を行う場合、銀行は積極的に融資
  • 特に在宅医療や地域包括ケア対応は、融資審査でプラスに働く

3. 銀行が注視するポイント

  • 処方箋枚数の安定性
  • 主力医療機関との関係性
  • 財務内容(債務超過でないか、キャッシュフローが安定しているか)

👉 銀行は「安定的に利益を生む薬局」であるかを重視します。


投資家から見た薬局売却

投資家から見た薬局売却

1. 薬局は「安定資産」

  • 処方箋による売上は景気変動に左右されにくい
  • 医療制度に守られたビジネスであるため、長期的に安定したキャッシュフローが見込める

確かに薬局の経営環境は昨今悪化していると言えます。ただし、あくまで過去の同業界と比較しての話です。
参入障壁が極めて高く、マーケット規模も微増を継続、債権回収はリスクゼロ、異業種と比べればまだまだ安定業種と言えるでしょう。

2. 投資家の注目分野

  • 在宅医療対応薬局(高齢化社会に不可欠)
  • 地域密着型薬局(医師・患者との強固な関係)
  • 多店舗展開よりも「高収益の単店」を評価する投資家も増加

3. 投資リスク

  • 薬価改定による収益悪化
  • 薬剤師不足による人件費上昇
  • 医師依存度が高い薬局は「医師の移転」でリスク増大

👉 投資家は「制度リスク」と「人材リスク」に特に敏感です。


売却時に経営者が意識すべき金融機関対応

売却時に意識すべき金融機関対応
  1. 借入の整理
    → 売却代金でどこまで返済できるかを試算しておく
  2. 財務資料の整備
    → 決算書・資金繰り表を銀行が安心できる形で提示
  3. 銀行への事前相談
    → 売却の噂が広がる前に、担当者へ非公開で相談しておく

売却時の金融機関との関係で最も重要なことは金銭消費貸借契約上のCoC条項(チェンジオブコントロール条項)です。(詳しくはリンク
株主の変更時に金融機関への通知が必須となっている場合があります。事前に確認しましょう。
ちなみにですが、金融機関は返済が担保されていればM&Aに異議を唱えることは考えにくいです。


売却時に意識すべき投資家対応

売却時に意識すべき投資家対応
  1. 高収益性のアピール
    → 処方箋枚数・在宅対応・患者リピート率を明確に示す
  2. 成長可能性の提示
    → 承継後に拡大できる余地(新規医療機関との連携など)を説明
  3. リスク管理の明確化
    → 薬剤師確保の仕組み、医師依存度を下げる工夫を提示

成功事例と失敗事例

成功事例

関東地方のA薬局は、売却前に銀行へ相談し、借入を一部繰上返済。
投資家には「在宅医療対応」「ICT導入実績」をアピールし、高値での売却に成功しました。

失敗事例

九州のB薬局は、借入残高を整理せず売却交渉を開始。
銀行から承認が下りず、買い手候補が撤退。結果的に売却が大幅に遅れました。


薬局売却における金融機関・投資家との付き合い方

薬局売却時に意識すべき投資家対応
  1. 透明性を重視する
    → 財務・経営状況を隠さず正直に開示する
  2. 長期的な信頼関係を築く
    → 銀行とは平時から資金繰り相談を継続する
  3. 投資家目線を意識する
    → 「安定性」「成長性」「リスク管理」を数字で示す

まとめ

薬局売却時の金融機関、投資家対応まとめ

薬局売却は、経営者と買い手だけでなく、金融機関や投資家も深く関わるプロセスです。

  • 銀行は「融資回収」と「新規融資機会」を注視
  • 投資家は「安定収益」と「制度・人材リスク」を重視
  • 経営者は透明性のある情報開示と事前準備が不可欠

薬局売却に関わる金融機関との関係につき解説しました。理解はすすみましたか?
金融機関との関係において重要なこと、それは情報開示です。
しっかりコミュニケーションをとっていれば、金融機関はあなたの味方です。
疑われるようなことを控えることが薬局売却においては重要になります。

弊社YAKUDACHIでは薬局の売却をお考えのオーナー様へ、完全無料でM&Aに係るサービスを提供しております。詳しくはこちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

次回は「薬局売却における仲介会社の選び方|失敗しないM&Aパートナー探しのポイント」につきお届けします。