去年独立した薬剤師が教える、独立の実情はノーリスクハイリターン(笑)

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薬剤師にとって独立は一つの夢です。ただ、リスクを恐れて踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

今の仕事が嫌なわけじゃないけど、なんか違う気がする。独立はしたいけど、ハイリスクハイリターンだから迷っている。貯金も無いことはないけど、独立して経営に失敗したら借金背負って大変なのでは?

そう思っている薬剤師は多いです。

私もよく考えていました。仕事は好きだけど、ずっと続けるかって言われたら・・・。

ただ、独立するにはまとまった資金が必要だし、借金だって背負って、悪徳業者に騙されて上手く行かなかったらどうしようとか、不安に思っていました。

不安が解消されるのを待ってばかりいたら、いつの間にか40歳を超えてました(汗)

こんにちは。薬局M&A、薬剤師独立支援の合同会社YAKUDACHI代表、鈴木重正です。私は元々大手調剤チェーンのM&A担当者でした。私自身、去年、薬局をM&Aにより取得して経営しています。

会社員から薬局の経営者になるときに不安はつきものですが、多くの不安は「知らないこと」が原因です。(おばけが怖いのと一緒で誰しも自分がよくわからないものは怖いと感じる)

独立に関する知識を「正確に」手に入れると、多くの不安は解消されます(もちろん、全てじゃありません)。実際に独立した薬剤師だから知った独立に関する事実を皆さんにお伝えします。

不安が完全に解消されて、確信して独立するときは永遠に来ません。独立は多くのメリットがあるので、早くした方がお得です。

経済面はもちろんですが、それ以外にも薬剤師が独立するメリットは多くあります。是非、正確な知識を基に独立に関する不安を解消して、よりよい薬剤師人生に、一歩踏み出してください。YAKUDACHIは独立薬剤師を応援しています。

薬剤師が独立する3つの方法

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薬剤師が独立するには主に3つの方法があります。

  • 独立支援制度のある薬局に就職する
  • 知り合いのDrの開業に合わせて独立する
  • 薬局M&Aを利用して独立する

独立支援制度のある薬局に就職する

独立支援制度のある薬局に就職するのは最も取り組みやすい独立方法だと思います。入り口としてはただの転職なので難易度は低いです。ただし、以下のような注意点があります。

いつ独立できるのかは会社の思い通り?

独立支援制度を設けている会社は結構、多くあります。ただ、本当に独立させる気があるかどうかはまちまちで、そもそも薬剤師集め広告塔として独立制度を設立している会社もあります。

また、本当に独立させる気があったとしても、いつ独立できるかはわかりません。明確にいついつまでにという規定のある会社を選びましょう。

独立とは言っても、その実はただのFC

注意点

独立とは結構あいまいな言葉です。独立制度という名称であってもよくよく聞いてみると、ただのフランチャイズであることも。売上げの〇%の手数料とか〇〇%の出資とかいう文言が入っていたら要注意です。

「医薬品仕入れ価格が安くなる」と謳っている会社もありますが、そもそも弊社が紹介している交渉代行を利用すればかなり安価な手数料大手チェーンクラスの値引きが入ります。今の時代、フランチャイズ加盟にメリットはありません

知り合いのDrの開業に合わせて独立する

契約締結

知り合いのDrと一緒に開業するチャンスがある方は、是非取り組みましょう。唯一の関門は資金調達ですが、多くの場合、しっかりとした事業計画があれば薬剤師は信用力が高いので、銀行から調達できると思われます。

ただし、資金繰りには本当に注意しましょう。初めての開業であれば、予想外の出費も嵩みますし、なによりDrの患者数の立ち上がりも未知数です。余裕を持った資金繰りにしないと、黒字が見えてきたあたりで、

資金ショート→身売りという最低のパターンが待っています。

薬局M&Aを利用して独立する

薬局M&Aを利用して独立するのは、現在、最も多いパターンです。そもそも薬局のM&Aは大変活発に行われていますが、大口の買い手である大手調剤チェーンは小さめの薬局を買いづらいです。

よって薬局のM&A市場では大手に買われない小規模薬局が余ってしまっています。通常は高額な手数料がかかるM&Aですが、小規模薬局の場合には安価に手に入れることができます

薬剤師が独立するメリット

薬剤師が独立するメリットは以下の3つです。それぞれ見ていきましょう。

  • 薬剤師が独立すると収入が増える
  • 独立した薬剤師は自分のやり方を貫ける
  • 独立すると周囲から経営者として見られる(信用度が高まる)

薬剤師が独立すると収入が増える

年収額面ももちろんですが、経営者になると経費判断が自分なので、メリットがかなりあります。

シンプルに言って収入が増えることは良いことです。それほど大規模な薬局でなくとも、経営者であればまず年収1000万は下回りません(もちろん、それより遥かに高額もあり)。

独立薬剤師の場合には、薬剤師としての自分の給料会社としての利益、どちらも自分の収入になるので、例えば薬剤師として年収700万だったとしても、会社が毎月30万円の利益(←かなり消極的ですが)を出していれば合計1000万オーバーです。

また、社長になるとわかりますが、社用車、社宅、接待交際費、旅費交通費、福利厚生費、通信費、消耗品費などなど、会社が経費として落とすかどうかを(社長なので当然)自分で決めることができます。

同じ年収だったとしても社長と会社員では生活レベルが全然変わります

独立した薬剤師は自分のやり方を貫ける

やりたいことを仕事にできる、ってこういうことかもしれません。

独立したら自分のやり方を貫ける薬剤師の場合にはひょっとしたらこれが一番大きいかも知れません。私も実は収入よりもこのポイントが一番大きかったです。

会社員だとどうしても会社の意思決定に従わざるを得ませんし、同じ社員どうしても先輩後輩や上下関係があって、従わざるを得ないときがあります。ただ、社長になれば自分で決めることができるので(責任も自分ですが)自分の思い通りの運営ができます。

利益を犠牲にしてでも患者さん目線で、もしくは医療人として推進したいこと、ありませんか?

私は結構あります。例えば、儲からないけど飲みやすい味付けのドライシロップとか、面処方箋で飛び込みで来る人向けの過剰(?)在庫とか。

いま、この記事を書いているのも、となりのクリニックの休診日ですが、地域の患者さんが来るかもしれないので薬局は開けてます。どれも会社員時代には否認されていたかもしれません

独立すると周囲から経営者として見られる(信用度が高まる)

周囲から経営者として見られるのは大きなメリットです。これは私も独立するまで気づきませんでした。ただ、考えてみたら、クリニックのDrはみんな社長(正確には理事長)なので同じ経営者です。経営者同士になると今までの医師ー薬剤師の関係より共通の話題も増えてコミュニケーションは取りやすくなります。

薬剤師が独立するデメリット

大したデメリット無いです。正直なところ。

薬剤師が独立するデメリットは正直あまりありませんよく言われることですが、社長に一度なったらサラリーマンには戻れません。それくらい経営者でいることは大切です。

ただし、一点だけデメリットというか注意点を挙げると、独立したばかりの時は住宅ローンが通りません。なので、もし新居を考えている方独立後数年我慢するか、独立前に融資審査を受けることをお勧めします。ただ、住宅ローンの残高は、独立資金の融資審査にも影響するので、独立がメインと考えるなら、新居は一旦待ちましょう。

薬剤師独立フロー

独立は概ね以下のようなフローをたどります。これは知り合いのDrと一緒に開業する場合も、独立支援制度を利用する場合もM&Aもほぼ同じです。

独立案件獲得

独立案件の獲得が全ての始まりです。多くの場合、独立案件の獲得は高いハードルとなります。知り合いのDrと開業する場合や独立支援制度を利用する場合には、このステップにもっとも多くの時間(期間)がかかります。逆に、このステップをお金で短縮できるのがM&Aの強みです。

案件精査

分析

案件精査は独立の成否を分けます。この段階で新規開業の場合には開業後5年M&Aなど既存薬局譲り受けの場合でも譲受後3年程度の収支計画、資金計画を立てます。極めて重要なステップなので、信頼できる専門家とともに進めるのが良いでしょう。案件精査につき詳しくは「薬剤師が教える独立M&A案件鑑査のやり方」をご参照ください。私が現在経営する薬局をM&Aした際の案件精査の概要を記してます。

各種契約、融資

会社員から経営者になった場合には契約の締結は十分注意しましょう。契約書はもちろんですが、あなたはおしゃべりのつもりであっても、他社から見れば法人代表者です。言ったことに対しても責任が発生します。

融資は案件精査の段階で精密な収支計画を作成しているので、多くの場合には問題になりません。逆に融資段階で金融機関に疑義を持たれるということは、あなたの収支計画が甘いということかもしれません。

開局準備、申請

薬局は規制産業の為、多くの申請書類があります。多くは厚生局や保健所に対する開局・保険指定手続きですが、そのほかにも各種官公庁に提出物があります。ただでさえ独立直前の忙しい時期なので、薬局開設が初めての場合などは、思い切って専門家に丸投げもアリです。

薬剤師が独立を成功させるための秘訣

苦労して案件獲得すると、例え危なくても良く見えてしまうときがあります。そんな時こそ要注意一歩下がって見直しましょう

薬剤師がM&Aを利用して独立する場合の秘訣はとても簡単です。

ハズレ案件をつかまない

その為に信頼できるプロのアドバイスを受けることです。

薬局は他の業種に比べ極めて安定したビジネスです。報酬改定で多少の計画誤差はありますが、基本的には収支計画通りに進みます。よって、肝心なのは緻密な案件精査により正確な収支計画を立てることです。ハズレをつかまなければ、M&Aはブレません

薬剤師の独立に関する1つのホントと2つのウソ

薬剤師の独立に関しては、各種メディアで大体以下の3つのようなことが言われています。

  • 住宅ローンは独立前に通しておくと良い
  • サラリーマンこそ安泰
  • 独立はハイリスクハイリターン

ただ、実際に独立した私が感じたのは下記のとおりです。

住宅ローンは独立前に通しておけ!はホント

銀行口座が作れなかったときは、ちょっとヘコみました。

住宅ローンは独立前に通しておけ!はホントです。独立のデメリットにも書きましたが、これはもう間違いありません。

独立する前は意識したことありませんでしたが、会社員の金融機関からの信用力は高いです。というより、独立したての法人経営者信用力が極めて低いです。

新設法人の場合、概ね3年で半分が倒産すると言われているので、金融機関からの審査の目は厳しいです。また、住宅ローンに限らず、そもそも銀行口座開設やクレジットカード審査も会社員時代より厳しくなります

サラリーマンは安泰!はウソ

終身雇用とか年功序列と言えば、少し古い感じもしますが、それでもサラリーマンは安泰と思われているフシがあります。ただし、これはウソだと思います。

あくまで高度経済成長期のような人口(特に生産年齢人口)が増え続けているときには確かに安泰です。なぜなら、世の中に仕事が増え続けているからです。

当然、仕事する人は必要なのでサラリーマンは安泰でした。ただし、現在のような少子高齢化社会になり、特に新型コロナで経済が揺れた時期にはサラリーマンは全然安泰じゃありません

薬剤師として独立した自分を想像してみてください。処方箋の減った薬局で最後まで雇用が守られるのは・・・そうです。社長のあなた自身です。

独立はハイリスクハイリターンはウソ

しっかりした事前準備リスクはほぼゼロになります。

独立はハイリスクハイリターンというのは、今でもよく見るフレーズだと思います。正直、薬剤師の独立に関連したウェブコンテンツでもそう書いているのをよく見ます。ただし、これはウソです

確かに何の知識もない人が、アドバイザーもつけずに独立したらリスクだらけですが、しっかりとした準備をもっての独立は低リスクだと言えます。

また、「倒産したら多額の借金を抱えて」のような表現もよく見ますが、これもウソです。

詳しくは「実際に独立した社長が明かす薬剤師のためのM&A資金借入の方法」に書きましたが、私は資本金1万円無担保、無保証人で独立しました。

幸い、現在も経営は順調ですが、もし明日天変地異で私の薬局が倒産したとしても、私個人に借金は残りません。当たり前ですが、法人と個人は別人なので保証人にもなっていませんし、担保提供もしてないので、私のリスクは資本金の1万円だけです。独立はハイリスクハイリターンどころかノーリスクハイリターンです。

管理薬剤師ができれば独立できる

決定的

いつかは独立したい!多くの薬剤師がぼんやりとも考えている事ではないでしょうか。ただ、実際に独立するのはほんの一握り。ほとんどの方は自分事として捉えていなかったかもしれません。

ひょっとしたらそんな他人事で独立を見ていたあなたも、すこし、自分でもできる気になってきてませんか?

もし、この記事を読んで独立への一歩を踏み出してくれる人がいれば著者としてこんなにうれしいことはありません。

私はいつも信じています。すべての薬剤師は独立できると。

いますぐには難しくても薬剤師人生の中で、一生独立できない人はいません。あとは決断するかしないか

管理薬剤師ができるならあとは私どもにお任せくださいYAKUDACHIは独立希望の薬剤師を応援しています。

なお、当社YAKUDACHIでは「そろそろ引退を・・・」とお考えの薬局経営者様、ご自身の後継者をお探しの薬局経営者様に、事業承継を手数料無料にてご提案させていただいております。企業への売却はもちろん、当社には独立希望の薬剤師も多数登録ありますので、是非一度、ご相談ください。お知り合いにも是非、ご紹介ください。