この記事では巷にあふれる〇〇薬局をマルっと全て解説します!!!
昔は、どこのお薬屋さんも似たような感じで、わかりやすかったんだけどなぁ。
何が売っているのか、取り扱っている商品はなにか、中に入ってみないとわからない薬屋さんは確かに増えましたね。
まっ、あんまり小難しい感じじゃなく、簡単に頼むよ!
承知しました!!!
………(なんか、上からな言い方のフレンチブルだな・・・。)
昔は薬局って言ったら種類は一つしかなかった。
箱ティッシュとかトイレットペーパーとかが入り口に並んでて、店の中には 市販薬と一緒に資生堂の化粧品がズラリ。
店の奥から調剤薬を持ってくる、あの薬局だけ。
最近は、難しくなりましたね。 調剤薬局だから風邪薬はないだの、ドラッグストアだけど処方箋受付だの漢方相談薬局、果てはオンライン薬局だの、一度まとめて解説しようと思いこの記事を書きました。
この記事の対象読者は・・・〇〇薬局について知りたい!、お薬屋さんて色々あってわからない!と思っている方です。
こんにちは。合同会社YAKUDACHIの鈴木です。
私は小さいながらも一つ薬局(処方箋調剤メイン)を経営しています。
薬剤師である私から見ても最近の薬局の進化(?)は目を見張るものがあります。
この記事を読んでいる皆さんの近所にも、なんだかわからないから入ったことない〇〇薬局ありませんか?
私は漢方薬局に入ったことがありません。漢方に興味はあるんですが、システムがわからないし、いくらぐらいの予算なのかもわかりません。
ただの食わず嫌いで、本当は利用したら自分にぴったりの漢方が見つかったりして、人生損してたらどうしようと、少し不安になってきました。(今度、入ってみようかな)
今回の記事では一部、書籍やほかのウェブサイトの知識もお借りしながら、一通りまとめましたので、是非、最後までお付き合いください。
読み終わったら、あなたも今日から薬局博士。近所のお友達に自慢できるようになりますよ。
Contents
そもそも薬局とは?
なんとなく、薬をメインに扱ってて、薬剤師さんがいて・・・。あいまいには理解してるつもりでも、正確に「薬局」とは何でしょうか?
薬局の定義
薬局は以下のように定義されています。
「薬局」とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。)をいう。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)抜粋
全国の薬局数
厚生労働省 平成30年度衛生行政報告例の概況によれば全国の薬局の数は、平成 30 年度末現在、 59,613 施設で、前年度に比べ 475 施設(0.8%)増加している。
ちなみによく比較されるコンビニエンスストアは(社)日本フランチャイズチェーン協会によれば2020年6月末で55,782店舗となっており、コンビニよりもやや多い施設数の薬局が全国にあることになる。
ただし、その利用者数はコンビニの年間利用者がのべ150億人に対して薬局は8億人なのでコンビニの方が圧倒的に利用者が多いです。
薬局ではない薬屋さんは?
では、薬局ではないお薬屋さんはあるのでしょうか?
実は結構多いんです。薬局は管理する薬剤師、調剤室などの基準をクリアして都道府県の許可を受けたところに限定されます。
例えば、調剤室を持たないドラッグストアや、同じく調剤室を持たない町のお薬屋さん、配置薬(富山の薬売り)は薬局ではありません。これらは医薬品販売業という分類にあたります。
なお、薬局ではない医薬品販売業の場合、調剤室はもちろん不要ですし、さらに言えば薬剤師の配置義務もありません。医薬品登録販売者の資格保有者がいれば、許可申請から運営まですることができます。
ただし、ロキソニンやリアップに代表される第1類医薬品を取り扱うことができない決まりとなっています。
薬局の種類と仕事内容
それでは、ここからは様々な〇〇薬局について、詳しく見ていきましょう!
- 調剤薬局
- 昔ながらの町の薬局
- ドラッグストア
- 漢方薬局
- 零売薬局
- 医薬品輸入代行業者
- オンライン薬局
こうして見るだけでも、薬局と言っても随分たくさん種類があるね。
調剤薬局やドラッグストアは日常的に利用する人が多いですが、零売薬局やオンライン薬局はあまり馴染みがないのではないでしょうか。
調剤薬局
調剤薬局は〇〇薬局の中では比較的メジャーな存在ですが、実は正式名称ではありません。
既述の通り、薬局の定義にはそもそも調剤室が必須なので、薬局である限り調剤できることは当たり前なんです。
つまり、もともと薬局は全て調剤機能を持っていたのですが、調剤ばかり専門に行う薬局のことを特に調剤薬局と呼ぶようになった経緯があります。
詳しくは「調剤薬局とは何か、薬局ごとの違いと選び方」をご参照ください。
調剤薬局とは何か、薬局ごとの違いと選び方
昔ながらの薬局
昔ながらの薬局は、いわゆる商店街にあるような医薬品と日用品、化粧品を取り扱っている薬局を指しています。
先に触れた医薬品販売業の定義にもある通り、調剤室が無い場合、薬剤師でなくても開設することができます。
ただし、現実には長年、そのエリアにある薬局である場合が多く、登録販売者制度も始まる前から存在するため、その多くは薬剤師が店主です。
私の経験では、健康管理のコツや一般用医薬品の上手な使い方など、くすりのスペシャリストは実は昔ながらの薬局に多いです。
西洋薬と生薬、漢方薬を合わせ、いいとこどりした解決策を提案してくれるかもしれません。
ドラッグストア
ドラッグストアは皆さんご存じのとおりです。処方箋取扱いの有無により、店舗販売業か薬局か行政からの許可は異なりますが、外見からはほぼわかりません。
現代のドラッグストアは、ロードサイド型の大型店舗が主流となってきており、実は売り上げの大半は医薬品以外の食品、日用品で占められています。
近年、多くのドラッグストアが調剤室併設を進めており、新規の薬局開設許可の大半を占めるまでになっています。
漢方薬局
漢方薬局とは患者さんの症状を薬剤師がヒアリングして、その人ぞれぞれに合った漢方薬を調合してくれる薬局のことです。
多くは薬局の許認可を取得していますが、理論上は漢方の既製品を用いることで、店舗販売業としても漢方薬を取り扱う薬店(薬局ではなく)は開設できます。
ただ、漢方薬の調合は調剤室でしかできないため、多くは薬局の開設許可を取得しています。
近年、登録販売者の方が漢方を修行するケースが増えてきていて、将来的には薬局ではない漢方薬店がメジャーになる日が来るかもしれません。
なお、オンライン薬局にも該当しますが、株式会社YOJO Technologiesの提供するYOJOというサービスはLINEで漢方相談できて、自分に合った漢方薬を薬剤師が選んでくれて、漢方薬は郵送してくれて、しかも安い!!といいとこだらけです。(持ち上げまくってますが、本心です。同社とは何の関係もありません)
零売薬局
零売とは医薬品の分割販売の事です。
通常、医療用医薬品は医師の処方箋の元、薬局にて調剤を受けて交付されます。ただし、医療用医薬品の多くは、この処方せん無しに販売が可能なものとなっています。
この医療用医薬品かつ処方せん無しに販売可能なものを専門に扱う薬局が零売薬局です。
あまり聞きなれないのも無理ありません。零売薬局はまだ全国に数十薬局しかないと言われており、まだまだ市民権を得た存在ではないからです。
ただし、新型コロナウィルスの影響もあり、手軽に医療用医薬品を入手したいニーズが高まっており、今後は拡大していくかもしれません。
医薬品輸入代行業者
医薬品の輸入代行とは、海外で販売されている医薬品を利用者個人の責任の下、輸入代行するものです。
海外の医療用医薬品の入手は日本法においては禁止されていないため、個人の自由意思において輸入することができます。
ただ、輸入手続きが頓雑なため、代行業者が存在しているというわけです。
一時期、急拡大したこの医薬品輸入代行ですが、同時に健康被害ももたらしました。
輸入される医薬品の多くは中国や東南アジアで生産されているものです。日本と違い、厳しい生産管理がなされているとは限らず、また、偽造医薬品の混入も問題視されています。
更には、日本の医療用医薬品を正しく使用する分には、その副作用に対して、副作用被害救済制度が利用可能ですが、個人輸入された海外の医薬品の副作用は、同制度の対象外となりますので注意が必要です。
オンライン薬局
オンライン薬局というのは、世にある様々な薬局のサービスのうち、一部または全部をオンラインで完結する薬局の事です。
現在、新型コロナウィルスの影響もあってオンライン診療、オンライン服薬指導が話題になっていますが、オンライン服薬指導が主な収入源となっている薬局は私の知る限りありません。
現段階ではオンライン薬局を自称している薬局の多くは、一般用医薬品、漢方薬をオンラインで販売しているところが多いです。
今までは、薬局に行って買っていた薬がオンラインで買えるようになったということですね。
様々な種類の薬局をご紹介しました
最後まで読んで頂きありがとうございました。
改めて、様々な種類の薬局を調べてみて、自分自身も勉強になりました。
ひとつ気づいたんですが、今回ご紹介した種類の薬局は、別にバラバラに存在する意味がないということです。
多くの業態は併用できるというか、例えばドラッグストアに漢方相談と零売機能を持たせることもできますし、それ自体が他社との差別化にもなります。
また、現在進行形としては、ドラッグストアのオンライン化や調剤併設は既定路線に思えます。
今後の薬局のあり方、変化が楽しみになりました。
なお、当社YAKUDACHIでは「そろそろ引退を・・・」とお考えの薬局経営者様、ご自身の後継者をお探しの薬局経営者様に、事業承継を手数料無料にてご提案させていただいております。企業への売却はもちろん、当社には独立希望の薬剤師も多数登録ありますので、是非一度、ご相談ください。お知り合いにも是非、ご紹介ください。